白い茎が特徴のホワイトセージ。
葉を乾燥させて、お香としても人気の高いハーブです。
ネイティブアメリカンの儀式でもお清めとして使われていて、神聖な植物ともいわれていますね。
洗練された見た目や香りから家の庭で育てようと思う人も多いのですが、実際に育ててみると色々と後悔することもあるようです。
この記事では、なぜホワイトセージを庭に植えてはいけないのか、その理由について詳しく解説します。
実は、ホワイトセージは西アメリカ原産の植物で、日本の自然環境では育てるのが難しいといわれているんです。
誤った育て方をすると枯れてしまうこともあるため、上手に育てるポイントをおさえておきましょう。
庭にホワイトセージを植えてはいけない理由は?
庭にホワイトセージを植えてはいけないといわれる理由は以下のような理由があります。
日本の高温多湿の気候に合わない
ホワイトセージは、アメリカの南西部とメキシコの北西部の乾燥した砂漠地帯が原産です。
日本のような湿度が高く、暑い夏の気候は育てるには適しておらず、高温多湿で弱ってしまい、枯れることが多いです。
また酸性の強い日本の土壌も加湿になりやすく、育ちにくい原因になります。
寒冷地での冬越しが難しい
ホワイトセージの耐寒性は約マイナス5℃までとされています。
そのため、東北や北海道のようにそれよりも寒い地域では、冬を越すことができずに枯れてしまうことがあります。
大きくなりすぎる
ホワイトセージは常緑低木ですが、成長すると1.5メートルほどの高さになります。
もし庭が狭いと、通路をふさぐなどして邪魔になってしまうほか、他の植物の日当たりが悪くなって成長を邪魔してしまう可能性があります。
根腐れしやすい
ホワイトセージはもともと砂漠地帯に自生するため、湿度の高い環境にとても弱いです。
日本の梅雨の時期の長雨や過剰な水やりによって、根腐れを起こしやすくなります。
特に鉢植えで育てる場合は、水の与えすぎは注意しておかなければいけないでしょう。
病気になりやすい
ホワイトセージは病気になりやすく、特にうどんこ病に感染しやすいといわれています。
うどん粉病に感染すると、葉に白いカビが発生し、植物の光合成が妨げられて弱ってしまいます。
香りが強い
ホワイトセージは成長中も強い香りを放ちます。
爽やかなハッカに似た香りだと感じる人もいれば、臭くて苦手・・という人も。
この独特な香りが苦手と感じる人もおり、不評を買ってしまうことがあります。
初芽率の低さ
ホワイトセージは花が咲いた後種をつけますが、その種を植えても発芽する確率がとても低いです。
また種の前処理(冷温処理・浸水など)を適切に行わないと発芽するのも難しく、また発芽してから成長するのも時間がかかります。
ホワイトセージは育て方が難しい?
上記のように、ホワイトセージはもともと西アメリカ・メキシコ原産のため日本で育てるのは難しい植物です。
約900あるといあれるセージの中でも、育てるのが難しい品種といえるでしょう。
しかし、きちんとお手入れしてあげれば、自宅で育てられないほど難易度の高いハーブではありません。
以下にうまく育てるためのコツをいくつかご紹介するので、ぜひ参考にして挑戦していただければと思います。
もし心配な方は、地植えではなく鉢植えや小さいプランターから育ててみるのもおすすめです。
ホワイトセージを上手に育てるポイント
日本の気候にはあまり適していないホワイトセージを庭で上手く育てるためには、いくつかの注意点が必要です。
以下の5つのポイントを参考にしてください。
苗から育てる
ホワイトセージの種は発芽しにくいため、確実に育てる方法として種からではなく苗を使用することをおすすめします。
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ホワイトセージの苗には、高温多湿や低温にも比較的耐えやすい特徴もあります。
種から育てる場合は、次のような方法で発芽率を向上させることができますが、これはガーデニング初心者さんには少し難しいかもしれません。
冷温処理:種を約1ヶ月間冷蔵庫で冷やす
浸水:種を1日間水に浸す
上記の手間を避けるためにも、苗を購入して育てる方が良いでしょう。
風通しの良い場所で育てる
ホワイトセージは湿度が高い環境を苦手とするため、庭の中でも風通しが良い場所を選んでください。
そうすることで、湿気の多い季節でも蒸れることなく、健康な状態を維持しやすくなります。
こまめな剪定
梅雨のような長雨は、湿度を嫌うホワイトセージにとって厳しい環境です。
葉が密集していると、それだけ湿気がこもりやすくなります。
梅雨が来る前に適度に剪定をして、空気の流れを良くしましょう。
寒さ対策
ホワイトセージはマイナス5℃まで耐えることができますが、苗の場合はより暖かい環境が必要です。
北海道や東北、長野県のような寒い地域で栽培する際は、特に寒さ対策が重要です。
そのため、地植えより鉢植えで育てる方が管理がしやすいでしょう。
猫がいる場合は注意
ホワイトセージには毒性はありませんが、セージ類に含まれるタンニンが猫の腎臓に悪影響を及ぼすことがあります。
猫が庭に出入りする家庭では、葉や茎に猫が触れないよう注意が必要です。
ホワイトセージが庭植え向きな理由
上記の通り、ホワイトセージを庭に植えることにはいくつかのデメリットがあります。
でも、育てるメリットもいくつかありますよ。
浄化作用
ホワイトセージは、ネガティブなエネルギーを払い、代わりにポジティブなエネルギーをもたらすとされています。
この浄化作用は、家の中でヨガを行うスペースや、天然石などのアクセサリーを浄化するのにも役立ちます。
収穫した葉を乾燥させれば、お香としても使用できます。
ハーブティーに
ホワイトセージは料理に使うだけでなく、ハーブティーとしても楽しむことができます。
乾燥させて細かく砕いた葉をティーポットに入れ、お湯を注ぐだけで、リラックス効果のあるハーブティーが作れます。
特に、寝る前のリラックスタイムにおすすめです。
野良猫を寄せ付けない
ホワイトセージの独特な香りは、一般的に猫が嫌いな香りとされています。
猫の被害に困ったときには、ホワイトセージの葉を細かく切って撒くと、糞害などを防ぐ効果が期待できます。
ただし猫には個体差があるため、全ての猫に効果があるわけではありません。
ホワイトセージの風水や花言葉は?
ホワイトセージは、風水においても重要な植物とされています。
風水の世界では、ホワイトセージが人や場所のエネルギーをきれいにする力を持っているとされているからです。
ホワイトセージ葉を燃やし、発生した煙で部屋を清める方法が一般的ですが、この煙を使う際は安全をしっかりと確保してください。
ホワイトセージを置くのにおすすめの場所
特に、北東方向(鬼門)にホワイトセージを配置すると、そのエリアの悪い気を浄化すると言われています。
しかし、ここだと自分が思う場所に自由に置いて、その浄化効果を期待するのも良いのだそう。
毎日の生活にホワイトセージを取り入れ、ポジティブなエネルギーを試してみてはどうでしょうか。
また、ホワイトセージの花言葉は「尊敬」と「家族愛」です。
これらを意識しながらホワイトセージを育てると、ガーデニングがより楽しく、豊かな意味を持つのではないでしょうか。
まとめ
ホワイトセージを庭に植えない方が良いといわれる原因は、
・日本の高湿度で暑い夏には耐えられない
・寒冷地での冬の厳しい寒さに耐えることが難しい
・成長が旺盛で周囲に迷惑をかけることがある
・過湿な状態では根腐れを起こしやすい
・病気にかかりやすい
・強い香りがあり苦手な人もいる
という理由からでした。
これらの理由により、日本の気候と異なる原産地の環境に適したホワイトセージは、栽培が難しいとされています。
特に園芸初心者さんは、適切な知識がなければ枯らしてしまうこともあるでしょう。
しかし、ホワイトセージの特性を正しく理解してこまめにお手入れをしてあげれば、育てるのもそう難しくはありません。
心配な方は、小さな鉢植えから挑戦してみてはいかがでしょうか。