秋になると、大きな赤い花を咲かせる彼岸花。
赤色以外のも白や黄色の花も咲かせる彼岸花ですが、庭に植える際には特に注意が必要です。
その理由の一つが、彼岸花の根に強い毒が含まれているからです。
また、この花がお寺やお墓でよく見られるため、「死」を連想させ、昔から縁起が悪いとされています。
秋のお彼岸に美しい真紅の花を咲かせる彼岸花は、日本の庭園にとても映えます。
そんな魅力ある花ではありますが、安全上の理由から庭に植えることはおすすめできません。
本記事では、
・彼岸花を植えるべきでない理由
・庭で彼岸花を育てる場合のメリット
・彼岸花を安全に育てるための注意点
について詳しく解説します。
庭に彼岸花を植えない方が良い５つの理由
彼岸花を庭に植えないほうが良いとされる主な理由は以下の通りです。
・根に含まれる有毒な成分
・死を連想させ、不吉な印象を与える
・多くの迷信が存在する
・不吉な別名が多い
・悲しい花言葉がある
これらはほとんどが迷信に基づいていますが、今でも広く信じられているため無視できません。
詳細を理解した上で、植えるかどうかをご判断ください。
根に含まれる有毒な成分
彼岸花の栽培を避けるべき最大の理由は、その根に含まれる「リコリン」という強い毒性です。
もしこの毒を誤って摂取すると、嘔吐、下痢、神経麻痺などの症状が現れることがあります。
この毒性を利用して、日本では古くから田んぼや畔に彼岸花を植えて、イノシシやタヌキ、ネズミなどの害獣から作物を守ってきました。
死を連想させ不吉な印象を与える
彼岸花は、その生育場所や特性から、「死」や不吉なイメージを強く連想させます。
この花は伝統的に墓地やお寺の周辺によく植えられています。
そのため、彼岸花は死と密接な関連を持つと考えられてきたのです。
多くの迷信が存在する
彼岸花には様々な迷信が付きまといます。
例えば、「彼岸花を摘んで家に持ち帰ると不幸になる」という話を聞いたことはありませんか？
ただし、これには科学的な根拠はなく、迷信といえるでしょう。
不吉な別名が多い
彼岸花は「曼珠沙華」など美しい別名も持っていますが、「死人花」「幽霊花」など不吉な別名も多く持っています。
これらの名前は、彼岸花が持つ強い毒性や、古くから死と関連つけられてきたことから来ています。
花言葉が悲しい
彼岸花の花言葉は「悲しい思い出」「あきらめ」といった別れを連想させるようなネガティブな意味が込められています。
これも彼岸花がよく墓地に植えられることから、悲しみや絶望の象徴とされるためです。
彼岸花を庭で育てるメリットとは？
彼岸花を庭に植えることは、以下のような素敵なメリットがあります。
・仏教において「天界の花」としての意味がある
・魅力的な花言葉が多い
これらのメリットが、彼岸花に対するネガティブな印象を覆すほどです。
仏教において「天界の花」としての意味がある
彼岸花の大きな魅力の一つは、仏教で「天界の花」とされることです。
これは、彼岸花が天からの贈り物とされ、吉祥や幸福の象徴と見なされていることを意味します。
一般的な彼岸花の不吉なイメージとは正反対ですね。
魅力的な花言葉も多い
実は、彼岸花には様々なポジティブな花言葉があります。
赤い彼岸花には「情熱」や「再会」という花言葉があり、庭に情熱や希望をもたらします。
白い彼岸花には「次に会う日を楽しみにしています」や「想い人はあなただけ」という深い愛情や純粋さを象徴する花言葉があります。
また、黄色い彼岸花は「明るさ」や「活力」を表し、庭を明るく元気な空間に変えることができます。
これらの花言葉を通じて、彼岸花は庭を希望と活気に満ちた場所に変えることができ、美しい花を楽しめるだけでなく、心の癒しになることでしょう。
彼岸花を庭でうまく育てるポイント
子供やペットがいる家庭では地面に直接植えない
特に小さい子供やペットは活発で好奇心が強く、庭で遊ぶうちに穴を掘ることがあります。
そんなときに、庭に直接植えた彼岸花の球根を誤って掘り出してしまうことがあります。
上記の通り、彼岸花は有毒な植物で、球根に触れると健康被害や重い中毒症状を引き起こす恐れがあります。
そうした危険を避けるためにも、子供やペットがいる家庭では、彼岸花を地植えするのは避けましょう。
庭植えでなく鉢植えを選んだり、ほかの無毒の植物を選ぶことがおすすめです。
鉢植えで管理する
彼岸花を安全に庭で育てるのに最適な方法は、鉢植えでの栽培です。
鉢植えで彼岸花を育てる最大のメリットは、子供やペットが植物の毒に触れるリスクを減らせることです。
彼岸花は全体に毒を含んでおり、特に球根の毒性が強いです。
鉢植えであれば、置く場所を自由に選べるため、誤って子供やペットが触れてしまう可能性を大幅に減らすことができるでしょう。
そのため、安全を確保する観点からも、彼岸花を鉢植えで育てるのがおすすめです。
縁起が気になる家族がいる場合は相談する
彼岸花は、古い言い伝えで「死」を連想させるため、縁起が悪い花とされています。
もし家族の中にそのような考え方を気にする人がいる場合は、彼岸花の栽培について事前に話し合うことが大切です。
もし何か起こった時に「彼岸花を植えたせいかもしれない・・」なんてことにも。
植えてから後悔しないためにも、家族の理解と協力を得ることが重要です。
まとめ
彼岸花を植えてはいけないといわれるのは、
・根が強い毒を含んでいる
・死を連想させて縁起が悪いとされる
・不吉な迷信が多い
・不吉な別名が多い
・悲しい花言葉を持つ
ことが原因でした。
これらはほとんどが古い迷信や思い込みからきているといえるでしょう。
ただし、毒性だけは要注意！
根に含まれる毒性が強いため、小さなお子さんやペットがいるご家庭では別の植物をおすすめします。
