初夏になると、清楚で可憐な花を咲かせるエゴノキ。
もともとは白い花を咲かせるエゴノキですが、品種改良が進み、特にピンクの花を咲かせる種は庭のシンボルツリーとしても人気があります。
そんなエゴノキですが、成長が早く、あっという間に大きくなって庭が手狭になってしまったり、強風で折れやすいというデメリットも・・。
そこで本記事では、エゴノキを庭に植えてはいけない理由をさらに詳しく解説します。
エゴノキを育てる上でのデメリットと、植えた後の上手な育て方もご紹介します。
庭にエゴノキを植えてはいけない理由とは?
成長スピードが速くて大きくなりすぎる
エゴノキは成長ペースが想像以上に速いため、枝が周囲に広がりやすく、他の植物や建物の邪魔になって迷惑をかけてしまう可能性があります。
枝が道路や隣の土地に伸びてしまうと、通行の妨げになったり、他の植物の日光を遮ったりすることがあります。
もしエゴノキを植えるなら、植える場所と管理には注意が必要です。
強風で折れやすい
エゴノキは構造上、雪や強風に弱く、簡単に枝が折れてしまいます。
木に雪が積もると、枝がその重みに耐えられずに折れてしまうことがあります。
強風でも同様に、枝が破損することがあります。
そのため、雪が多い地域や風の強い地域では植えるのは適していません。
毒性あり
エゴノキには、特に果実の皮に含まれる「エゴサポニン」という毒素があり、誤って食べると健康を害する恐れがあります。
小さな子どもやペットがいる家庭では、この植物の管理には特に気を付ける必要があります。
心配な場合はほかの植物も検討するのがおすすめです。
虫害
エゴノキは美しい花を咲かせる一方で、虫の被害を受けやすく、木の健康を害し成長に悪影響を与えることがあります。
特に暖かく湿度が高い時期は害虫が増え、木が弱ってしまうことがあります。
虫こぶは虫が木の幹や枝に寄生し、植物の細胞を損傷させるために生じます。
これにより、栄養の流れが阻害されることがあります。
エゴノキを植える場合は、害虫の対策と定期的な管理が必要です。
落ちた葉や花の掃除が大変
エゴノキは花が美しいですが、花や葉が多く落ちるため掃除が大変です。
庭の手入れが頻繁に必要になり、花や葉が散らばると見た目が悪くなってしまいます。
また、近隣とのトラブルの原因にもなることがあります。
エゴノキを選ぶ際は、美観を保つために定期的な清掃が必要であることを覚えておく必要がるでしょう。
蜜を求めて蜂がくる
エゴノキの花は甘い蜜を分泌するため、蜂が集まることがあります。
これにより、庭が蜂の巣と化し、近隣住民や家族にとって迷惑や危険の原因になることがあります。
蜂は刺すと痛みを伴い、アレルギー反応を引き起こすこともありますので、特に小さな子どもやペットがいる場合は注意しましょう。
実を狙って鳥がくる
エゴノキは鮮やかな花と共に実をつけることがあり、その実が鳥を呼んでしまうことがあります。
エゴノキの実を求めて集まった鳥たちが庭や近隣に集まってしまうことにより、鳴き声などがご近所で問題となる可能性があります。
また、鳥たちが実を食べて散らかすことで、庭や自宅の建物周辺が汚れたり、害虫が引き寄せられることもあります。
上記のように、エゴノキの果実が周辺の環境や生態系に影響を及ぼすため、植える際にはその影響をしっかりと考慮する必要があります。
エゴノキをうまく育てるには?
エゴノキは管理が適切に行われれば、上記のようなデメリットを克服して安全に楽しむことができます。
ここではエゴノキを育てる際に役立つ2つのポイントをご紹介します。
小さな子どもやペットがいる場合の注意
エゴノキの果実には少量の毒が含まれており、次のようなリスクが考えられます。
・子供が誤って果実を食べてしまうこと
・ペットが果実をかじってしまうこと
・魚がいる池に果実が落ちてしまうこと
これらを防ぐためには、エゴノキの高さを低く保つことや、果実の数を制限する対策が有効です。
また、実が成熟する前に果実を取り除き廃棄することで、上記のリスクを減らすことができるでしょう。
こまめに剪定する
エゴノキは剪定に適しており、定期的な剪定により以下の問題を解決できます。
・枝が広がりすぎて周囲に迷惑をかけること
・果実が原因での誤食のリスク
・虫の大量発生
・落花や落葉による掃除の手間
エゴノキを定期的に強剪定することで、これらの問題を防ぎ、木を健康に保つことが可能です。
このように、適切なケアをすることでエゴノキの美しさを楽しめます。
エゴノキを植えて後悔しないために
エゴノキはその美しい花と独特の香りで多くの人々に愛されていますが、実際に植えてみて後悔するケースも多々あります。
特に問題となるのは、エゴノキが急速に成長し、予想以上に大きくなることです。
庭のスペースが限られている場合、大きくなったエゴノキが近隣の建物や他の植物に影響を与えることがあります。
エゴノキが周囲の樹木や建物に触れると、その管理が難しくなり、時には近隣とのトラブルに発展することもあります。
また、エゴノキが成長して大きな日陰を作ると、その影で他の植物が育ちにくくなることもあります。
ですから、エゴノキを植える前に、庭の大きさや環境をしっかり考慮して計画を立てることが重要です。
植物が成長したときに起こるであろう問題を事前に考慮し、適切に対処することで、植えてから後悔するのを避けることができるでしょう。
エゴノキの花言葉
エゴノキの花には、「壮大」という花言葉があります。
エゴノキの花は、形が優雅で独特の香りを持ち、自然の壮大さや美しさを表しています。
エゴノキを育てる際には、このような美しい花言葉を意識しながら、植物の成長の特徴をしっかり理解し、庭の全体の景観に美しく調和するよう工夫してあげるとよいでしょう。
まとめ
この記事では、エゴノキを植える際の注意点や庭木として植えたあとの上手な育て方のポイントについてご紹介しました。
エゴノキを庭木として植えるには、
・早く大きくなりすぎる
・強風に弱く折れやすい
・毒性
・虫害
・落ちた葉や花がらの掃除が大変
・鳥害
など様々な問題があります。
実際にお手入れは簡単ではなく、忙しい方には庭木として植えるのはあまりおすすめできません。
しかし、こまめに剪定などお手入れをしてあげれば、デメリットとなる問題点は解決できるでしょう。
エゴノキの花の美しさは、古代から万葉集にも詠まれるなど、高く評価されてきました。
「Japanese Snowbell」という美しい英名も持つエゴノキ。
ぜひお手入れして可愛らしい花を咲かせてあげてくださいね。