ヒメイワダレソウは、庭をカラフルな花々で彩ってくれる魅力的な植物です。
でも「グランドカバーには向かない」、とか「植えてはいけない」と聞いたことはありませんか?
さらに、ヒメイワダレソウの栽培は法律で禁止されており、もし植えた場合には罰則が科せられるという噂についてはご存じですか?
もしこの噂が本当だとしたら、ヒメイワダレソウを愛する園芸家にとっては、まさに晴天の霹靂といえるでしょう。
そこで今回は、ヒメイワダレソウを植えることが禁じられている理由について、詳しく探ってみたいと思います。
また、ヒメイワダレソウ以外にも、植栽が制限されているグランドカバーについて、あわせてご紹介します。
これからガーデニングを始める方や、特にグランドカバーの選択に悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
庭にヒメイワダレソウを植えてはいけない理由とは?
ヒメイワダレソウは重点対策外来種で生態系に悪影響?
ヒメイワダレソウを庭に植えることには、実は思わぬ注意点があるのをご存知でしょうか。
その最大の理由は、ヒメイワダレソウが「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されているからです。
この「生態系被害防止外来種リスト」は、2015年3月に日本で策定されたもので、国内の生態系に深刻な影響を及ぼす可能性のある外来種を特定しています。
つまり、ヒメイワダレソウは、在来種の生息環境を脅かし、生物多様性を損なう恐れがあると判断されているのです。
ただし、リストに載っているからといって、ヒメイワダレソウの栽培が直ちに禁止されるわけではありません。
なぜなら、さらに厳しい規制の対象となる「特定外来生物」には指定されていないからです。
特定外来生物は、飼育・栽培が原則禁止され、違反した場合には罰則が科せられます。
例えば、販売・配布目的で無許可飼養した場合、個人には3年以下の懲役または300万円以下の罰金が、法人には1億円以下の罰金が課されることになります。
一方、ヒメイワダレソウは「要注意外来生物」の一種ではあるものの、法律上の規制はありません。
したがって、個人が責任を持って適切に管理する限り、庭での栽培は認められています。
園芸店で苗を購入することも、何ら問題はないのです。
ちなみに、かつては「世界の侵略的外来種ワースト100」にランクインしていた「ランタナ」も、「要注意外来生物リスト」の仲間でしたが、現在はリストから外されています。
外来種の扱いは、時とともに変化していくものなのかもしれません。
制御不能の繁殖力
ヒメイワダレソウが生態系被害防止外来種リストに選定されている理由は、制御不能になるほどの繁殖力の強さにあります。
こぼれ種や挿し芽でも簡単に広がり、どんどん成長してしまいます。
見た目はとても可憐な花ですが、一旦根付くと、もはや制御不能といえるほどの勢いで蔓延っていきます。
こうなってしまっては、駆除するのも一筋縄ではいきません。
一度庭に定着したヒメイワダレソウを根絶やしにするには、並々ならぬ努力が必要とされるでしょう。
ちなみに、「クラピア」というグランドカバーも、ヒメイワダレソウと同様に、植栽には注意が必要だと言われています。
sns上の口コミを見ても、「植えない方がいい」という意見が少なくないようです。
ガーデニングを楽しむ上で、植物選びは慎重に行いたいものですね。
特に、繁殖力の強い品種については、事前のリサーチが欠かせません。
ヒメイワダレソウの教訓を生かして、賢明な判断を心がけたいものです。
ヒメイワダレソウが増えすぎたら?
ヒメイワダレソウが庭を席巻してしまった場合、手作業での駆除に勤しむことになるでしょう。
ひたすら抜き取る作業が続くのです。
ただし、地上部を取り除くだけでは不十分かもしれません。
土中に根の一部が残っていると、時間の経過とともに再生芽を出す可能性が高いのです。
さらに厄介なのは、抜き取りの最中に茎が切れて地面に落ちてしまうと、そこから新たなヒメイワダレソウが発芽してしまうこと。
まるで挿し木のように繁殖していくのです。
その生命力の強さには、舌を巻くばかりです。
こうした事態を防ぐには、思い切って除草剤を散布してしまうのが得策かもしれません。
手間と時間を考えれば、化学的な駆除が効率的で確実な方法といえるでしょう。
ただし、ヒメイワダレソウによく似た「クラピア」なら、庭に植えても問題ありません。
それほど侵略的な性質はないので、安心して利用できるのです。
いずれにしても、ヒメイワダレソウを植える際は、十分な注意が必要です。
一度繁茂し始めると、周囲の植物にまで被害が及ぶ可能性が高いのです。
他の草花との棲み分けを意識し、適切な管理を心がけることが肝要といえるでしょう。
植えてはいけないグランドカバーとは
ヒメイワダレソウ以外にも、「植えない方が賢明」といわれる厄介な植物があるのをご存知でしょうか。
ワイヤープランツ
まず警戒すべきは、ハート形の葉が魅力的な「ワイヤープランツ」です。
その危険性は、垂直方向への旺盛な成長力にあります。
地面だけでは飽き足らず、壁やオブジェ、柵、鉢、樹木にまで侵入していくのです。
絡みつかれそうな構造物がある庭では、要注意です。
ツルニチソウ
こちらもワイヤープランツ同様、縦方向に伸びていく厄介者です。
ツル科植物ならではの特性で、ツルを巻き付けながら建物や樹木に取り付き、そこから根を下ろして定着してしまいます。
駆除が困難なだけでなく、ツルを剥がす際に壁を傷つける恐れもあるのです。
ドクダミ
日陰でも元気に育つ「ドクダミ」も侮れません。
地下茎を伸ばし、目に見えないところで着実に勢力を拡大していくのです。
引き抜いても、すぐに再生してきます。
除草剤の使用も、近くで野菜を栽培していると躊躇われるものです。
独特の匂いもあるので、植える前には確認が必要ですね。
カタバミ
カタバミは、ドクダミと同じく地下茎を持つ、しぶとい野草です。
地上部を丁寧に除去しても、土中に根が残っていれば再生は免れません。
完全な駆除は至難の業といえるでしょう。
こうした厄介なグランドカバーを見極める眼力を養うことが、美しい庭づくりへの第一歩です。
植物の特性をしっかり見定め、賢明な選択を心がけたいものですね。
ミント
ミントは、さわやかな香りと愛らしい外観を持つハーブです。
しかし、その驚異的な繁殖力から、庭のグランドカバーとして使用するのは避けた方が賢明でしょう。
放置すると、ミントは制御不能なほど広がり、庭全体を覆い尽くしてしまう可能性があります。
その結果、他の植物の成長を阻害し、庭の美観を損ねる恐れがあるのです。
もし、庭に芳香性のあるハーブを取り入れたい場合は、レモンタイムやローズマリーのような、グランドカバーに適した種類を選ぶことをお勧めします。こ
まとめ
本記事では、ヒメイワダレソウについて、詳しく探ってみました。
この一見可憐な植物は、「生態系被害防止外来種リスト」に名を連ねるほど、旺盛な繁殖力を秘めているのです。
法的な規制や罰則の対象となる「特定外来生物」ではありませんが、油断していると気づかぬうちに庭中をヒメイワダレソウの絨毯で覆い尽くされてしまうかもしれません。
そんな事態を避けるには、植栽の是非を慎重に見極める必要があります。
一度根付いてしまえば、その勢力を食い止めるのは容易ではありません。
また、周囲の植物への影響も無視できません。
ヒメイワダレソウのもたらす功罪を天秤にかけ、賢明な判断を下すことが肝要です。
もしこの植物を選ぶのであれば、徹底した管理体制を敷く覚悟が求められるでしょう。
私たちの身近な自然環境を守るためにも、外来種の脅威についての理解を深めていきたいものです。
ヒメイワダレソウの教訓を生かし、より持続可能なガーデニングを目指していきましょう。