コシアブラは、その独特な特性から庭木には向かないと言われています。
しかし、その新芽の美味しさから「山菜の女王」とも称されるこの植物に魅了され、自宅で育てたいと考える人も少なくありません。
コシアブラが庭木に適さない主な理由は、大木に成長する性質と山間地帯に適した環境を好むことです。
つまり、庭という限られたスペースでは、コシアブラの成長を十分にサポートすることが難しいのです。
とはいえ、コシアブラを庭で育てることは不可能ではありません。
適切な育成方法を知ることで、自宅でもこの山菜の女王を楽しむことができるでしょう。
また、コシアブラの苗や種子の入手方法についても、よくある質問と答えをまとめてみました。
自宅でコシアブラを育ててみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
庭にコシアブラを植えてはいけない2つの理由とは
コシアブラを庭に植えることには、いくつかの注意点があります。
その理由は主に2つあげられます。
大きく成長するから
まず、コシアブラは大きな木に成長する性質を持っています。
高さ15メートルにも達する場合があり、中には20メートルにまで育つこともあるそうです。
これだけ大きくなると、コシアブラの新芽を収穫するのが難しくなってしまいます。
せっかくの美味しい山菜なのに、手が届かないのでは残念ですよね。
また、大木になったコシアブラは、他の植物や家の日照を妨げてしまう可能性もあります。
狭い庭に植えてしまうと、他の植物の生育に影響を与えたり、家の中まで日が差さなくなったりするかもしれません。
隣家など周辺にも影響が出る恐れがあるので、注意が必要です。
環境作りが難しい
もう一つの理由は、コシアブラが山間地帯に適した特性を持っていることです。
幼木の頃は強い日差しに弱いのですが、ある程度成長すると日光を必要とするようになります。
山間地帯では、周囲の高い木々が日差しを遮ってくれるので、コシアブラにとって育ちやすい環境なのです。
一方、一般的な家屋の庭では、コシアブラにとって適した環境を作るのが難しいかもしれません。
このように、コシアブラを庭に植えることには、いくつかの課題があります。
でも、適切な育て方を工夫すれば、自宅でもこの「山菜の女王」を楽しむことができるはずです。
次項でコシアブラをうまく育てるコツをご紹介します。
庭でコシアブラをうまく育てるポイント
コシアブラを庭で育てるには、いくつかのコツがあります。
思いつきで植えてしまうのは危険ですが、その特性を理解していれば、安全に育てることができるでしょう。
地植えでなく鉢植えで育てる
まず、コシアブラを鉢植えにすることをおすすめします。
大きくなりすぎないように管理でき、日照のコントロールもしやすくなります。
実際に、鉢植えで育てて新芽を収穫している人もいるそうです。
ただし、小さい段階で新芽を取りすぎると、成長を妨げてしまうので注意が必要ですね。
幼木は日照時間をコントロール
次に、苗木の段階では半日陰で育てるのがポイントです。
幼木の頃は日差しに弱いので、山間部や雑木林のような薄明るい環境が適しています。
鉢植えであれば、場所を移動させることも簡単にできます。
そして、ある程度大きくなったら、日向に移動させましょう。
ただし、真夏の強い日差しには注意が必要です。
適度な日当たりの場所を選ぶのがベストですね。
このように、コシアブラの特性を理解し、適切な環境を整えてあげることで、庭でも上手に育てることができます。
ぜひ、これらのコツを参考にして、自宅でコシアブラを栽培してみてはいかがでしょうか。
コシアブラの入手するには
コシアブラを庭に植えたいと考えている方のために、苗木の入手方法に関する疑問をまとめてみました。
購入できる時期は?
まず、コシアブラの苗木が店頭に並ぶ時期ですが、主に11月から2月にかけてです。
植え付けに最適なのは、秋から翌年の6月頃までとされていますね。
どこで買える?
次に、購入場所についてですが、コシアブラの苗木はホームセンター、園芸店、ネット通販サイトなどで手に入れることができます。
ホームセンターや園芸店では、販売時期が限られているかもしれませんが、ネット通販なら年中いつでも購入可能ですよ。
コシアブラの植え付け方
コシアブラは、庭植えに最適な樹木とは言えないかもしれません。
大きく成長しすぎるなどのデメリットがあるからです。
でも、自分の庭は好きなものを植えるのが一番の楽しみ。
そのデメリットを理解した上で、どうしても植えてみたいという方は、挑戦してみるのも一つの選択肢ですね。
植え付けの時期
コシアブラを上手に育てるには、適切な植え付け時期を知っておくことが大切です。
コシアブラの植え付けには、秋から翌年の梅雨頃までがおすすめの時期とされています。
特に、秋は植物の植え付けに適しているので、新鮮な苗を入手して植えるのが良いでしょう。
春でも大丈夫ですが、芽が動き出す前の方が木にとっての負担が少ないそうです。
植え付ける場所
植え付け場所としては、山の中のようなやわらかい日差しが差し込む「明るい日陰」が理想的です。
直射日光が強すぎると葉が焼けてしまうので、注意が必要ですね。
苗木の間は半日陰で育て、大きくなってきたら上部に日当たりが欲しくなります。
山の中に植える場合は、大木の足元近くが適しているでしょう。
庭にシンボルツリーなどの高木がある場合は、その足元(1メートルほど離して)や、家の陰になる部分も良い場所かもしれません。
ただし、いずれにしても大きくなりすぎないように注意が必要なため鉢植えがおすすめです。
挿し木で増やせる?
最後に、山からコシアブラを採取して挿し木にする方法についてお話しします。
山菜採りのついでに挿し木用の枝を持ち帰りたくなるかもしれませんが、森林の所有者がいる場所や、法令で採取が禁止されているエリアもあります。
山菜採りの是非も含めて、事前の確認が必要ですね。
ただ、コシアブラの挿し木は成功率があまり高くないので、苗木を購入するのが手っ取り早いかもしれません。
以上、コシアブラの入手方法に関する情報でした。
自分に合った方法で、ぜひコシアブラを手に入れてみてくださいね。
まとめ
コシアブラを庭で育てる際は、家の立地環境によっても影響を受けます。
条件が整っていれば、苗木から植え付けて上手く育てている例もあるようですね。
また、コシアブラは挿し木でも増やすことができるので、苗木の値段が少し高いと感じる方は、まずは気軽に挿し木にチャレンジしてみるのも一案かもしれません。
もし、庭に植えるスペースが限られていたり、成長しすぎるのが心配だったりする場合は、プランター栽培を検討してみてはいかがでしょうか。
プランターであれば、コシアブラの成長に合わせて場所を移動させられるだけでなく、根の広がりを調整することもできますよ。