麺料理や刺身など色んな料理に使えて美味しいシソ。
自分で育てて、採れたてを使えたらいいですよね。
ただ、「シソは植えない方がいい」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
本当に植えても大丈夫なの?と悩んでいる人も多いでしょう。
シソを植えることにためらう理由としては、予想以上に増えたり、虫がつきやすいことがあります。
ですが、ちゃんと管理すれば、シソを育てるのはすごく楽しいですよ!
この記事では、シソを植えてはいけない理由や、上手なシソの育て方、シソの実を使ったレシピを詳しく解説します。
「シソを植えてみたいけど、やめたほうがいいのかな?」と思っている方に、きっと役立つ情報ですよ。
なぜシソを植えてはいけないの?
シソを庭に植えるのをためらう3つの大きな理由があります。
繁殖力が旺盛すぎる
まずシソ栽培で心配なポイントの一つが、シソは種からすぐにたくさん増えてしまうことです。
シソは花が終わると、たくさんの種を作り、これらが地面に落ちて自然に広がってしまいます。
「こぼれ種」と呼ばれるこれらの種は、計画せずともどんどん増えていき、気が付けば庭がシソでいっぱいになることがあるかもしれません。
虫害
シソを植えたいときに考えるべきもうひとつの問題は、害虫です。
シソは、いろいろな害虫を引きつけることがよくあります。
その中には、ヨトウムシ、アブラムシ、ハダニ、ハモグリバエ、バッタなどがいます。
特に厄介なのがヨトウムシ。
この虫は夜になると活動を始めてシソの葉を食べ、日が昇ると土の中に隠れてしまいます。
「夜盗虫」という名前も、こうした行動から来ています。
葉が突然大量に食べられているのに虫が見当たらない場合は、ヨトウムシが原因かもしれません。
ヨトウムシはシソだけでなく、他の野菜にも害を及ぼします。
シソに来たヨトウムシが別の植物に移って被害を与える可能性があるため、シソを植えるのをためらう一因になっています。
交雑すると質が落ちる
シソには、赤紫蘇と青紫蘇という2種類があり、それぞれ違った使い道があります。
赤紫蘇は梅干しや生姜を染めるのに使われ、色が鮮やかです。
私が大好きなゆかりのふりかけも、赤しそを使って作られています。
一方の青紫蘇は、料理の味を引き立てる薬味や、刺身の添え物に使われ、「大葉」とも呼ばれます。
ただし、赤紫蘇と青紫蘇を一緒に植えると、交配してしまう恐れがあり、それによって色や風味が落ちてしまうことがあります。
そして交配してしまうと、元の特徴を取り戻すことは難しくなります。
また、シソだけでなく、エゴマやバジルなどシソ科の他の植物とも交配する可能性があります。
これらの交配による品質の低下も、シソを植える時に考えるべき点の一つです。
つまり、シソを植えることが悪いわけではなく、無計画な増殖、害虫の問題、そして赤紫蘇と青紫蘇の交配が主な心配事です。
でもこれらをうまく対処して成長を管理すれば、シソを楽しく育てることができますよ。
それでは次にシソを上手く育てるコツを解説していきます。
上手にシソを育てるポイント
シソって料理の薬味として活躍しますが、毎日それほどたくさんは使いませんよね。
ご家庭で使う分だけなら、鉢植えで一株育てるので十分でしょう。
ここではシソの鉢植え栽培についてご紹介します。
この方法なら、シソが勝手に増えるのを防ぎながら上手に育てられますよ。
まずシソを育てるポイントは、しっかりと管理することです。
これだけで種が落ちて勝手に増えるのを避けつつ、シソの育て方を楽しめます。
鉢植えでの育て方
まずは、青紫蘇についてです。
青紫蘇はシソ科の一年草で、種をまいた年に芽が出て、花が咲き、種をつけて一生を終えます。
さわやかな香りが特徴で、日本ではハーブとしても親しまれていますね。
種まきに適した時期は、4月から5月です。
土はバランスの良い培養土を使うがおすすめです。
鉢で育てるとお手入れがラクで、こぼれてしまった種のお掃除も簡単です。
収穫は6月から9月が最適です。育った葉は、根元から切って収穫しましょう。
植え方
シソを上手に育てる秘訣は、しっかり管理することにあります。
これによって、予想外の種の増殖を防ぎながら、育てる楽しさを味わうことができます。
ここでは、特に鉢植えでシソを育てる基本的な方法をご紹介します。
種まき
必要なもの・・・シソの種、ポリポット、育苗用の土。
ポリポットに育苗用の土を入れ、5粒程度の種を蒔き、軽く土で覆い隠します。
種が乾燥しないようにしっかり水をやり、乾燥防止のために新聞紙で軽く覆ってください。
シソは光が必要な植物なので、種が軽く隠れる程度の覆土で十分です。
土が乾かないように注意しながら、発芽を待ちましょう。
青紫蘇の種は発芽率が60%程度と少し低めなので、数ポットに蒔くと安心です。
植え付け
シソが発芽したら、苗を鉢に植え替えます。
準備するものは、苗、プランター、ハーブや野菜用の培養土、鉢底ネット、鉢底石、肥料です。
鉢の底に鉢底ネットと鉢底石を敷き、土を入れて苗を植え、しっかりと土で固定します。
水はたっぷりと与えてくださいね。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷり水をあげてください。
環境によって土の乾燥具合が異なるので、よく観察しながら水をあげてください。
追肥について
土に最初から含まれている肥料(元肥)の量に応じて、追肥が必要になります。
培養土のパッケージに記載されている指示に従って、適切に追肥しましょう。
このように地植えではなく、鉢植えでシソを育てることにより、適切に管理することでシソの不要な増殖や害虫の問題を防ぎながら、育てる喜びを得ることができますよ。
※注意※こぼれた種は植えないで
シソのタネは毎年収穫できるので、これを植えないともったいないな~と感じるかもしれません。
でも、落ちて自然に集まった種から育てる場合、次のような問題が起こりがちです。
・品質が下がってしまう(香りや味が落ちる)
・種が他のものと交雑している場合、品質がさらに悪化する恐れがある
仮に鉢植えで青紫蘇のみ育てていたとしても、時間が経つにつれて徐々に品質が低下します。
新しい種はホームセンターで200円〜300円、最近ではダイソーなどの100円ショップでも手に入るため、毎年新しい種で植え直す方が良いでしょう。
シソの美味しい食べ方
シソをフル活用する方法は、種を落とす前に収穫して使うことです。
シソが勝手に増えすぎるのを防ぐには、種が落ちる前に収穫して料理に使うことが一つの手です。
特にシソの花が咲き始めてから実がつく時期には、色んな料理で大活躍しますよ。
シソの実の下ごしらえ
料理に使う前に、シソの実からあくを抜く必要があります。
花が少し残っているくらいの穂先を収穫します。
穂先をゆっくり手で撫でて実を取り出しましょう。
手を汚さないようビニール手袋をすると便利です。
あく抜きには2つの方法があります。
・湯通し
沸騰したお湯に少し塩を加え、シソの実をさっと通して水切りします。
・水に浸す
シソの実をボウルに入れ、たっぷりの水に一晩つけてから水切りします。
この作業でシソの実をもっと美味しく食べられます。
シソの花はあくが少ないので、そのまま料理に使えますよ。
シソの実を使ったレシピ
あく抜きをしたら、いろんな料理に挑戦しましょう!
シソの実の醤油漬け
材料: あく抜きしたシソの実、醤油、好みで鷹の爪
清潔な瓶にシソの実と醤油を入れ、2~3日で完成します。
シソの実の塩漬け
材料: あく抜きしたシソの実、シソの実の10~20%の塩
シソの実の水気を取り、塩と混ぜて容器に入れ、2~3日で完成します。
塩が強すぎる場合は、水で塩抜きしてください。
ごはんのお供や薬味、ハンバーグの混ぜ込みや和え物など、様々な料理にアレンジできます。
シソの花の天ぷら
材料: シソの花、小麦粉、水
シソの花を洗ってから小麦粉をまぶし、水で薄く作った天ぷら粉にくぐらせて、160~170度の油でサクッと揚げます。
ほかにも美味しい食べ方はありますが、上記のレシピでもシソを思う存分楽しんでください!
まとめ
シソを庭に植えたくないと考える人が多いのは、主に次の2つの理由からです。
・シソが庭中に広がってしまう恐れがあること。
・ヨトウムシのような害虫が増えてしまう可能性があること。
でも、種が無造作に広がらないようにきちんと管理すれば、これらの心配は避けられます。
特に、赤シソと青シソを同じ場所に植えるときは、二つが交雑しないように気をつけるか、落ちた種から育てるのではなく新しい種を使うべきです。
ぜひ、上手に育てて美味しく収穫してくださいね。