四季折々の顔を見せてくれるジューンベリーは、お庭のシンボルツリーとしても人気が高い樹木です。
春には可愛らしい花をつけ、赤い実がなるとそのまま食べることもできますよ。
ただし、ジューンベリーを育てる上でのメリットとデメリットを十分知っておかないと、あとあと後悔することも・・。
そこでこの記事では、庭にジューンベリーを植えてはいけないといわれる理由やジューンベリーの特徴・うまく育てるコツについてご紹介します。
鳥害・虫害・お手入れと管理は色々大変ですが、可愛らしいジューンベリーの木はあなたの庭をもっと豊かにしてくれるはず。
ぜひ参考にしてくださいね。
なぜ庭にジューンベリーを植えてはいけないの?
ジューンベリーを植えるのはやめておいたほうがいいよ、と言われるのはいくつか理由があります。
中には迷信もありますが、お手入れは大切なポイントなので一つずつ詳しく解説していきます。
迷信:縁起が良くない
日本では昔から、果実のある木を縁起悪いとする考えがあります。
そのため、ジューンベリーも庭で育てるのを敬遠されることがあります。
特に、果実が地面に落ちる姿を縁起が悪い、不吉なサインといったり、その木が周囲のエネルギーを吸い取り、不幸を呼ぶなどといった迷信があります。
現代の世ではこのような考えをを信じる人は少なくなっていますが、一部の高齢者の間ではまだそのような考えが根強く残っているようです。
鳥害
ジューンベリー、またはアメリカンサービスベリーを庭に植える上での心配事のひとつに、鳥が果実を全て食べてしまうことがあります。
ジューンベリーの実は、スズメやヒヨドリ、カワラヒワなどさまざまな鳥にとっておいしい食べ物。
これらの鳥が次々とやって来ては実を食べます。
その結果、人間が楽しむための果実がほとんど残らないこともあるんですよ。
果実の収穫を楽しみにしている人にとっては、さぞがっかりすることでしょう。
さらに、ジューンベリーの実が地面に落ちたり、鳥が糞を落としたりすると、地面が汚れるのも問題です。
特に、コンクリートやタイルの場所では、このような汚れは掃除が大変です。
鳥の糞は白くて目立つため、見た目が悪くなるだけでなく、一度乾燥して固まってしまうときれいにするのにかなり手間がかかります。
虫害
ジューンベリーが害虫の被害を受けやすいのは、鳥害に加えて植える前に知っておきたいポイントの一つです。
アブラムシ、カイガラムシ、アザミウマ、エカキムシといったさまざまな害虫がこの木に集まることがあります。
特に、毛虫(例えばイラガ)によるトラブルは注意が必要です。
子どもがこれらの毛虫に触れると危険なため、ジューンベリーを子どもの手が届く場所に植えるのは避けた方が良いですね。
イラガは毒があると思われがちですが、実際にはその刺激が原因で痛みを感じます。
ジューンベリーの手入れをしているときに、うっかりイラガに触れると、電気が走ったような痛みがあることがあります。
これらの虫は葉の裏に潜んでいることが多く、人の目ではなかなか見つけにくいので、触ってしまってから痛みを感じることになる人がいます。
大きく育ちすぎる
ジューンベリーは大きくなると、最高で8メートルの高さに成長することがあります。
この高さは、一般的な建物の3階相当に達します。
アメリカ原産のこの木は、その大きさから街路樹としても用いられることがあり、その迫力ある姿を想像することができますね。
もし手間をかけずに自然に任せておきたいと考えているなら、ジューンベリーを植えるのは避けた方が無難です。
冬に葉っぱが落ちる
ジューンベリーは冬になると葉を落とす落葉樹です。
そのため、冬場は枝だけが残り、見た目が少し寂しくなります。
植物には、常緑樹と落葉樹の2種類があり、常緑樹は一年中葉がありますが、落葉樹は秋になると葉を落とすため、冬は枝がむき出しになります。
そのため、ジューンベリーは冬になると風情がなくなってしまうと感じる人もいるんです。
庭に一年中緑が欲しいなという人には、ジューンベリーは向いていません。
さらに、ジューンベリーは秋に葉を大量に落とします。
これにより、自宅の庭はもちろん、風で隣の家にも葉が飛んでいくことがあります。
家同士が近い住宅地では、この落ち葉が隣人に迷惑をかける原因になることも。
実際に、落ち葉の掃除に困ってジューンベリーを育てるのをやめてしまった人もいるようです。
ジューンベリーを育てるメリット
鳥害・虫害・お手入れなどジューンベリーを育てる上で気になる点はいくつかあります。
でもそれを鑑みてもジューンベリーを育てるメリットは十分ありますよ。
それぞれ簡単に説明しますね。
丈夫で初心者でも植えやすい
ジューンベリーはとても強健で、寒さや暑さにも負けません。
日向でも日陰でも、ある程度の条件さえ満たせば問題なく育ちます。
だから、ガーデニングが初めての人でも簡単に育てられます。
一年中楽しめる
ジューンベリーは春には白い花が咲き、初夏には果実がなり、秋には葉がきれいに紅葉します。
果実の季節だけでなく、一年を通して木の美しさを楽しめます。
実を収穫して食べられる
ジューンベリーを育てれば、子どもたちが自分で果実を摘んで食べる体験ができます。
実際にジューンベリーを育てた人たちにもよく挙げられるメリットです。
最近は自然に触れる機会が少ないですが、自宅の庭で果物狩りができたら素敵ですよね。
花言葉も素敵
ジューンベリーの花言葉は「穏やかな表情」「穏やかな笑顔」です。
これは、ジューンベリーの果実を食べた時の幸せな気持ちが由来しています。
家族でのんびりとした優しい時間を楽しめそうですね。
ジューンベリーを上手く育てるポイント
ジューンベリーは庭のサイズやお手入れをきちんと行えば決して植えてはいけないことはありません。
うまく育てるためにも、以下の5つのポイントを覚えておいてくださいね。
品種を選ぶ
ジューンベリーの木にもいろいろな種類があります。
そんなに大きく育てたくないという場合は、樹高がそこまで大きくならず、管理しやすい「株立ち」タイプや、成長しても比較的小さい「矮性品種」の苗木を選びましょう。
これらは、特に日本の庭のサイズに合っていて、あとあとのお手入れが楽ですよ。
植える場所を考える
ジューンベリーの落葉が周りに影響を及ぼさないよう、広めのスペースに植えるか、または鉢植えにすると良いでしょう。
鉢植えなら場所を選ばず、移動や剪定がとても簡単になります。
鳥害対策
「ダミーのカラス」を使って、ジューンベリーの実を狙う鳥を近づけないようにしましょう。
カラスは多くの小鳥の天敵なので、これにより実を守ることができます。
フクロウなどのダミーもありますよ。
防鳥ネットを使う
ダミーカラスよりももっと確実に実を鳥から守りたい場合は、防鳥ネットを使うのがおすすめです。
ネットで木を覆うことで、果実をしっかり保護できます。
虫害対策
害虫が出たらすぐに対処できるよう、殺虫スプレーを用意しておくと安心です。
特に毛虫などは、見つけ次第早めに駆除することが大切です。
これらの5つのポイントを押さえておけば、ジューンベリーの育て方をもっと安全で、楽しいものにすることができます。
まとめ
ジューンベリーは6月に赤い果実をつけることから「ジューンベリー」と名付けられました。
別名「アメリカザイフリボク」。
掃除が大変だったり、大きくなりすぎてご近所トラブルになってしまう・・というデメリットはありますが、きちんと管理すれば大丈夫。
一年中あなたを楽しませてくれますよ。
もちろん庭のシンボルツリーとしても向いていますので、ぜひあなたのお庭にぴったり合う品種のジューンベリーを見つけてくださいね。