小ぶりながら、可愛らしい白い花を咲かせるユキノシタ。
春には山菜として利用されるほか、その美しい花は観賞用としても人気がありグランドカバーにもよく選ばれる植物です。
しかし、誤解や虫害から「庭に植えてはいけない」という声も。
でもユキノシタの特徴や育て方を知っておけば、安心して栽培できる植物なのでご安心くださいね。
この記事では、ユキノシタが庭に植えない方が良いといわれる理由や、育てる時の注意点をお伝えします。
庭にユキノシタを植えてはいけない理由とは?
毒性があるから植えてはいけない?
「ユキノシタには毒がある」という誤解が一部で広まっていますが、これには科学的な根拠はありません。
実は、ユキノシタは毒性がなく、食べられる山菜なのです。
この誤解が生じたのは、ユキノシタが含まれるユキノシタ科には紫陽花も属しており、紫陽花の中には毒を持つ種もあるためです。
このため、時折、紫陽花とユキノシタが混同されて、ユキノシタにも毒があると間違えられてしまいます。
しかし、しっかりと調べれば分かるように、ユキノシタは全く問題なく食べられますし、もちろん庭に植えても安全ですよ。
繫殖力旺盛!ツルを伸ばしてどんどん増える
ユキノシタは自然に繁殖する特性があり、手を加えなくてもどんどん増えてしまいます。
この植物は「ランナー」と呼ばれるつるを伸ばし、その先端が土に触れると新しい株が生まれます。
このように自分で勝手に増えるため、放っておくと庭を覆い尽くすこともあります。
ツルでどんどん増えたユキノシタは、他の植物の生育スペースを奪います。
特にユキノシタの大きな葉が光を遮るため、他の植物が日光を受けられず成長が阻害されてしまうことがあります。
また、ユキノシタが庭を超えて隣の家に広がると、ご近所迷惑になることもあるため、植える際には慎重に管理することが大切です。
ナメクジが出る
ユキノシタを植えると、その周辺でナメクジが増えることも育てる上でのデメリットの一つです。
湿度が高い場所では、特に梅雨や雨の日にナメクジが集まりやすくなります。
このため、庭や畑でナメクジが問題になり、ユキノシタはもちろん、他の植物にも影響が出ることがあります。
これが原因で、庭や畑の管理が難しくなることもあります。
ナメクジの問題を最小限に抑えるためには、ユキノシタが植えられている周囲の環境をきちんと管理し、適切な対策を施すことが大切です。
高温が苦手
ユキノシタを育てるときに注意が必要なのは、この植物が高温に弱いことです。
ユキノシタは涼しい気候を好むため、暑い環境では色々な問題が起きやすいです。
特に気温が35℃を超える暑い日には、葉の色が薄くなったり、葉が丸まったりすることがあります。
このような暑い時期には、ユキノシタを育てる場所選びがとても重要です。
植える場所を間違えると、ユキノシタは徐々に弱ってしまいます。
また、ユキノシタは強い日差しにも弱いです。
日本国内では、自然の中で湿度が高く、日陰が多い岩場でよく見られます。
そのため、強い日差しが当たると、葉が焼けてしまうことがあり、ユキノシタ本来の美しさが損なわれます。
美しい葉を期待して植えた人にとっては、葉焼けはがっかりする結果になりかねません。
傷みやすい
ユキノシタは踏まれることに弱いため、よく人が歩く場所には向いていません。
この植物は地面を這って広がるため、グランドカバーとして利用することを考える方も多い植物です。
しかし、人や大型ペットがよく通る場所に植えてしまうと、踏まれてしまうとすぐに傷ついてしまいます。
そのため、人やペットが立ち入らない花壇などに植えるのが良いでしょう。
歩道や庭の通路など、踏まれやすい場所には不向きです。
ユキノシタを上手く育てるには?
ナメクジ対策をしっかりと
ユキノシタを育てる際に注意が必要なのは、ナメクジの対策です。
ユキノシタの周りでナメクジがよく発生するため、予防策を講じることが大切です。
具体的には、植物の周りを整えて風通しを良くし、傷んだり枯れたりした葉をこまめに取り除くことが効果的です。
さらに、周囲の雑草を抜くことで環境を清潔に保ち、ナメクジの発生を防げます。
日陰が多い場所にユキノシタを植えるときは、忌避剤を事前に撒くと良いでしょう。
ナメクジが大量に発生した場合は、市販の駆除剤を使用するのが効果的です。
ナメクジを除去する際には手袋を着用し、作業が終わったら必ず手を洗うことを忘れないでくださいね。
ある程度湿度のある半日陰で育てる
ユキノシタは、自然環境では湿った陰地で育ちます。
そのため、半日陰で風通しが良い場所が植えるには最適の場所です。
直射日光が強い場所や乾燥した場所はとても苦手ですので避けてあげましょう。
こまめな剪定
ユキノシタは赤い茎(ランナー)を伸ばして勝手に増えるてしまいます。
そのため、定期的に剪定することがとても重要です。
不要な茎は、見つけ次第、園芸バサミで切り取りましょう。
ユキノシタは地下茎で増えることはないので、必要ない株は簡単に引き抜けるはずです。
通り道に植えない
ユキノシタは踏まれるととても傷つきやすい植物です。
そのため、人やペットが頻繁に通らない場所に植えることが大切です。
スペースが区切られた花壇などがユキノシタを育てるには理想的な場所といえるでしょう。
ユキノシタを庭で育てるメリットは?
グランドカバーとしても人気のユキノシタ。
実は観賞用だけでなく、食べても美味しいんですよ!
食べると美味しい
ユキノシタはおひたしや和え物など、さまざまな料理に使えますが、特に天ぷらがおすすめです。
厚みのあるジューシーな葉がサクサクの衣と組み合わさり、非常に美味しくなります。
庭で収穫した新鮮なユキノシタは、汚れもなく、風味が格別です。
こまめな水やりが不要
ユキノシタは湿気を好むものの、過湿には弱いです。
そのため、干ばつのような日照り続きがない限り、地植えしたユキノシタには水やりがほとんど必要ありません。
こまめに水やりをしねくていいのは育てる上でも負担が少ないですね。
虫害に強い
ユキノシタは灰色かび病やアブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ、ナメクジなどの病害虫に対して比較的強いです。
たとえ少し被害があっても、通常は大きな問題にはならず、特別な対策を講じる必要もありません。
風通しを良くしてあげて、枯れ葉を定期的に取り除くことで、さらに被害を防ぐことができます。
ユキノシタの花言葉は?
ユキノシタの花言葉は「深い愛情」、「切実な愛情」、「好感」、「恋心」、「博愛」など、愛に関するポジティブな意味が多く含まれています。
これはユキノシタの白い花が愛の象徴とされているためです。
もし庭の植え込みにユキノシタを考える際には、これらの花言葉を参考にすると良いでしょう。
一方で、風水ではユキノシタが不吉な木とされており、庭に植えると災いを招くとも言われています。
しかし、ユキノシタには湿気を吸収する効果があり、その葉は薬草としても使用されます。
ですから、風水だけでなく、ユキノシタのさまざまな側面を理解して、植えるかどうかを慎重に検討することがおすすめです。
まとめ
ユキノシタが「庭に植えてはいけないよ」と言われる理由としては、その繫殖力の強さやナメクジが問題でしたね。
ユキノシタには「毒性がある」との誤解があることがありますが、実際には毒性はなく、食用としても楽しめます。
また、ユキノシタの成長速度は遅いので、それほど頻繁な手入れは必要ありません。
その他の問題も、簡単なお手入れで予防することは可能です。
日陰向きのグランドカバーとしてもおすすめできるので、ぜひ栽培してみてくださいね。