暑い真夏に、色鮮やかな花を咲かせる百日紅(サルスベリ)。
漢字で百日紅と書くように、独特の縮れた美しい花が次々と咲き、長く楽しめるのが特徴です。
ただ、百日紅は縁起が悪いから庭に植えてはいけないという言い伝えがあるのも事実。
そこで本記事では、百日紅を植えてはいけない理由と、育て方のポイント、そして百日紅の代わりでおすすめの木についても詳しくご紹介します。
庭に百日紅を植えてはいけない理由は?
縁起が悪いから
百日紅の別名「サルスベリ」は「滑る」という意味を連想させるため、古くより縁起が悪いとされています。
この名前は、樹皮が滑らかで、木登りが得意な猿でさえ滑り落ちることから付けられました。
昔は子供たちが木登りを楽しんだものの、滑って落ちる危険があったため、不吉と考えられるようになったのです。
お寺や墓地によく植えらているから
百日紅が庭木として不向きとされる理由の一つは、お寺や墓地でよく見かけるからです。
この植物が仏教施設で好まれるのは、中国で仏教と共に伝わったという背景があるからです。
また、仏教創始者であるお釈迦様の誕生時に咲いていた無憂木に似ているため、お寺でよく植えられています。
地方によっては、百日紅の木には霊が宿るという迷信もあり、そのためお寺や墓地の近くに多く植えられています。
風水で良くないから
百日紅の樹皮は自然に剥がれ落ちて、常に滑らかな外見を保っています。
風水では、この滑らかな樹皮が不適切とされることもあります。
昔からの言い伝えでは、この樹皮が人の生気を吸い取り、災いを引き起こすとされていました。
ただし、これらは根拠のない迷信。
科学も発展した現代では、それほど心配する必要はないでしょう。
大きくなりすぎるから
百日紅の木は生育が旺盛で、大きくなると高さが10メートルほどになることもあります。
また、枝が弓なりに湾曲しながら横広がりに伸びていきます。
大きくなりすぎてしまうと剪定などのお手入れに困ったり、塀からはみ出してご近所の迷惑になってしまうこともあるでしょう。
本当に百日紅は植えてはいけないの?
「百日紅 植えてはいけない」とネットで検索すると、「運気が下がる」とされる情報をたくさん目にします。
様々なフォーラムやブログでは、百日紅を植えたことによって
・家庭内の不和 ・近所トラブル ・勉強や仕事の不振
・病気 ・事業の失敗 ・家系の断絶
などなど、不幸が重なるケースが報告されています。
そんな話の一部には、百日紅の木を伐採した後に運気が好転したという話も・・。
ただし、このような情報は必ずしも信頼できるとは限りません。
百日紅の不吉なイメージは昔から言い伝えられており、専門家の中には植栽を避けるべきだと考える人もいます。
しかし、百日紅はお手入れがそれほど難しくなく、何より花がとても美しい庭木です。
きちんと管理してあげれば、決して植えてはいけない木ではありません。
庭のシンボルツリーとしてもおすすめですよ。
色々な迷信にとらわれず、育ててみる価値は十分あるでしょう。
百日紅をうまく育てるポイント
こまめな剪定
百日桃は放置するとどんどん大きくなってしまうため、こまめに剪定してあげることが大切です。
スペースにそれほど余裕がない場合は、落葉期間中に毎年同じくらいの高さまで枝を切り落とすのが良いでしょう。
切り戻しをするとその部分がコブのように見苦しくなってしまうため、気になる場合はときどき切り戻す位置を変えてあげると良いでしょう。
鉢植えで育てる
百日桃は地植えだけでなく、鉢植えでも育てることができます。
鉢植えだと根の伸びもコントロールすることが可能です。
ただし、植えっぱなしは禁物で数年に一度は植え替えが必要です。
百日紅を植えてはいけないのは庭木限定?
百日紅に関する迷信はよく知られていますが、これは主に庭木としての使用に関連しています。
この木は見た目も美しく枝の成長も良いため、公園や道路沿いに植えても全く問題ありません。
また、お寺や神社の境内や墓地など、神聖な場所での植栽にも適しており、実際には推奨されている場合も多いです。
迷信を深く信じすぎることはおすすめしませんが、これらの情報を知っておくと、植栽計画に役立つでしょう。
百日紅以外の植えてはいけない木って?
桜の木
日本で非常に愛されている桜ですが、庭木としてはあまりおすすめできません。
古い言い伝えで「庭に桜を植えると家運が衰える」という迷信があるためです。
また桜は大きく成長するため、他の植物の成長を阻害することがあります。
このほかにも、桜は鎮魂や慰霊の象徴とされているため、個人の家の庭には不向きだとされています。
ビワの木
ビワの木には「家族に病気が出る」「家が断絶する」という迷信があり、庭木として好ましくないとされます。
ビワの木は大きく広がり、その影で湿気を溜め込むことが病気の一因とされています。
また、ビワの実が割れることから縁起が悪いともいわれています。
藤
美しい藤の花ですが、「不治」と聞こえるため縁起が悪いとされ、庭に植えるのを避けることが多いです。
花が垂れ下がる形状が家運を下げるという言い伝えもありますが、逆に家の繁栄や長寿を象徴すると捉える見方もあります。
榊(さかき)
榊は神棚に供える樹木として神聖視されており、一般の家庭の庭には不向きとされています。
梻(しきみ)も仏壇に供える植物であり、榊と同様に個人の家の庭に植えるのはは不適切とされています。
ソテツ
ソテツは「粗鉄」と発音が似ており、「粗末」や「金を失う」という意味が重なるため、縁起が悪いとされます。
また、鉄分を吸収して育つことから「金を食う」という迷信もあり、財運に悪影響を及ぼすと言われています。
百日紅の代わりでおすすめの木は?
松
松は長寿と繁栄を象徴する木で、常緑樹として一年中緑を保つため縁起が良いとされています。
特にお正月には「松の内」として飾り、祝事にも欠かせない植物です。
松は針葉樹なので、庭に植えると四季を通じて力強い緑が楽しめます。
梅
梅は春の到来を告げる花で、縁起の良い植物として古くから親しまれています。
成長が比較的コンパクトで管理がしやすく、早春に香り高い花を咲かせるため、庭木としても人気が高いです。
南天
「難を転じる」との語呂合わせから、南天は災難を避ける縁起の良い植物とされています。
寒い時期に鮮やかな赤い実をつけることから、新年の飾りとしても用いられ、庭に植えると目を引く美しさがあります。
ツツジ
ツツジは「続き咲き木」と呼ばれ、長期間にわたり花が楽しめることから縁起が良いとされています。
風水では、ツツジを庭の東南に植えると金運を向上させると言われています。
そのため、庭の生垣や日本庭園によく使われ、日本の多くの家庭で親しまれています。
まとめ
この記事では、百日紅が庭に植えるのは良くないとされる理由や、反対に縁起が良いとされる木についてもお話しました。
百日紅が庭に植えるのは良くないとされる理由としては、
・縁起が悪いから
・お寺や墓地によく植えらているから
・風水で良くないから
・大きくなりすぎるから
というのが原因でした。
あまり神経質になる必要はありませんが、もし迷信や風水が気になるのであれば、庭木の選び方にも注意を払うと良いでしょう。
サルスベリは生育が旺盛なので、スペースが心配なら鉢植えで育てるのが良いでしょう。