その名の通り、レモンのような爽やかな香りが癒しのレモンバーム。
庭先で摘み取ったハーブでいつでもハーブティーを楽しめたら素敵ですよね。
でも、庭や畑で育てるのは危険という声もあるのは事実です。
そこでこの記事では、レモンバームを植えない方が良いといわれる理由を詳しく解説します。
レモンバームを育てる上でのメリット・デメリットや上手な育て方についてもご紹介しますね。
レモンバームを植えてみたいけど、どうしようか迷っている・・という方はぜひ参考にしてください。
庭にレモンバームを植えてはいけない理由2つ
1.繁殖力が半端じゃない
レモンバームは耐寒性のある多年草です。
一度植えると翌年もまた新しい芽が出て、元気な葉をどんどん広げます。
地下茎が伸び、また種が飛散して自然と広がるため、徐々に生育範囲を拡げていきます。
気付くと庭全体を覆い尽くし、知らず知らずのうちに隣の庭にも広がっているなんてことがあります。
「こんなに広がるとは思わなかった」と思う頃には、対処が遅れてしまい、もうどうすることもできない状態になることも・・。
ただ、ミントなど他のシソ科の植物に比べると、地下茎の伸びは穏やかです。
こまめに剪定してあげるなど、レモンバームを適切に管理すれば、その拡がりを十分に抑えることができます。
しかし、レモンバームが周囲に広がると、そこに元々生えていた植物の生育スペースを奪い、特に低い草花は日光が届かず枯れてしまうリスクがあります。
このように他の植物を圧倒する様子は、侵略者のように見えることも。
それでレモンバームの栽培経験者は、植えたことを後悔するのでしょう。
2.ミツバチを呼んでしまう
レモンバームはギリシャ語で「Melissa(メリッサ)」と呼ばれ、この名前には「ミツバチ」という意味も含まれています。
この名前の由来は、ミツバチがレモンバームの花や蜜を好むからです。
レモンバームが白い小さな花を咲かせる季節には、多くのミツバチが集まることがあります。
ミツバチが花の蜜を集めるために繰り返し訪れるので、庭で過ごすときにミツバチと接触することが避けられないこともあります。
虫が苦手な方や、特に小さな子どもがいる家庭では、ミツバチに刺されるリスクがあるので注意が必要です。
このため、レモンバームを庭に植えるべきではないという意見も多くあるようです。
ただ、レモンバームを育てている人の中には、ミツバチがそんなに多く現れるわけではないと言う人もいます。
レモンバームの毒性が危険?
レモンバームはその風味と香りが魅力的で、料理や飲み物に使われることがよくありますが、生で食べても安全なのでしょうか?
実は、レモンバームは食べられるハーブであり、ほとんど毒性はありません。
生でレモンバームを使用する際は、適量を守り、細かく刻んでサラダに加えたり、お茶やさわやかなドリンクとして楽しむのがおすすめです。
レモンバームを上手く育てるポイント
鉢植えがおすすめ
レモンバームを直接地面に植えると、その強い繁殖力のおかげで管理するのが難しくなります。
しかし、鉢やプランターで栽培すれば、植物の広がりを効果的に抑えられ、管理も簡単になります。
また、もう必要なくなった場合には、簡単に処分できるので便利です。
区切られたエリアで育てる
もしレモンバームを庭に直接植えたい場合は、特定のエリアを区切る方法がおすすめです。
これを行うには、地中に約30cmの障壁を設置し、レモンバームが育つスペースを明確にします。
この障壁があることで、レモンバームの地下茎が伸びても、設定された範囲内でのみ成長し、他の部分に広がることを未然に防げます。
この方法は、庭の一部を囲って根の拡散を防ぐ「根止め」としても使え、花壇作りにも役立ちます。
花は早めに摘む
レモンバームが自然に広がる主な原因は、その種子です。
白い花が終わった後に種子が形成され、これが地面に落ちると、次の年に勝手に芽を出します。
この現象を「こぼれ種」と呼びます。
こぼれ種による自然な広がりを防ぐには、花から種子ができる前に摘み取る方法が有効です。
この方法を取れば、不要な種子を作らずに植物のエネルギーを保持できます。
また、こぼれ種によって植物が野生化するリスクもあるため、鉢植えやプランターを使う場合はコンクリートのような硬い地面に置くとより安全に育てることができるでしょう。
安全な場所で
瑞々しい大きな葉が特徴のレモンバーム。
ただ、小さなお子さんやペットがミツバチに刺されてしまわないよう、子どもの手の届かない安全な場所で育てましょう。
鉢やプランターで育てる場合は、保護のためのネットを被せるといいですね。
地植えする場合は、庭先の一角に花壇を設け、子どもが入らないように柵などを設置するとよいでしょう。
こうすることで安心してレモンバーム栽培を楽しめますよ。
庭でレモンバームを育てるメリットも
上記のように繁殖力が強いためこまめな剪定が必要だったり、ミツバチを引き寄せてしまう困ったレモンバーム。
でも庭で育てるメリットも色々あるんです。
その一つがハチによる花粉の媒介です。
ミツバチは確かに刺すリスクもありますが、
きゅうり、かぼちゃ、ひまわり、梅、柿など、多くの野菜や果物の受粉に必要な重要な益虫です。
これらの植物の受粉をミツバチが助けるため、果物や野菜を育てる場合にレモンバームは非常に役立つ植物です。
レモンバームだけでなく、家庭菜園で上記の野菜も育てている場合はとても役立ちますね。
レモンバームを上手に育てるには
レモンバームは比較的、ハーブ初心者にも育てやすい植物です。
こぼれた種からもぐんぐん広がるほど繁殖力が強いので、それほど神経質にならなくても大丈夫。
ある程度管理してあげればしっかりと成長しますので、ストレスなく楽しく育てることができるでしょう。
土の選び方
レモンバームには水はけの良い土が適しています。
ハーブ専用土、野菜用土、または赤玉土と腐葉土を混ぜたものなど、お好みで選べます。
場所選び
レモンバームは明るい日陰を好みます。
日当たりのよすぎる場所を避け、半日陰のような場所で育ててあげてください。
種まきの時期
レモンバームの種を蒔くのに適した時期は、年に2回、春(3月から5月)と秋(9月から10月)です。
種子は非常に小さいので、土に直接まいて軽く霧吹きで湿らせ、直接土をかぶせずに新聞紙で覆って保湿しましょう。
間引く
発芽した苗が多い場合は、葉が触れ合わない程度に間引きを行います。
本葉が5枚以上に増えたら、庭や大きいプランターに移植しましょう。
水やり
レモンバームは乾燥するのを嫌います。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。
地植えの場合、真夏は夕方に水やりを行い、その他の季節は自然の雨に任せます。
収穫の時期
葉が十分に育っている間はいつでも収穫可能です。
たくさん収穫したい場合は、摘心や切り戻しのタイミングが最適です。
特に梅雨入り前には枝や葉が多いと蒸れることもあるので、切り戻しを行うと良いでしょう。
まとめ
レモンバームは管理をしっかり行えば、初心者でも簡単に栽培できます。
特にプランターや鉢で育てる場合、管理が楽で早く収穫できるというメリットがあります。
さらに、最近ではスーパーマーケットでも購入可能です。
レモンバームの花言葉は「思いやり」「同情」「共感」。
料理やハーブティーに使うと、いつでも爽やかな香りを楽しむことができます。
栽培する上でのメリットとデメリットをしっかり理解し、自分に適した栽培方法を選んでくださいね。