秋になると、金木犀(キンモクセイ)の甘い香りが街中やお家の庭を満たします。
この香りがすると、今年も秋がきたんだなぁと感じますよね。
でも、金木犀を庭に植えるには、あまり知られていないデメリットがあるんです。
金木犀を植えない方がいいとされる理由は、主に3つあります。
・花言葉に込められた意味が怖いこと
・思ったよりも木が大きくなりすぎることがあること
・害虫がやってくることがあること
この記事では、なぜ庭に金木犀を植えてはいけないのかその理由と、上手な育て方のコツについても詳しく解説します。
優しい金木犀の香りを自宅の庭で楽しみたい!という方は、ぜひ参考にしてくださいね。
庭に金木犀を植えてはいけないのはなぜ?
上記の通り、金木犀を育てるには大きく分けて3つのデメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
花言葉に込められた意味が怖い
金木犀の花言葉には、いろいろな意味があります。
たとえば「謙虚」や「初恋」、「陶酔」、「高潔」など、ほとんどがいい意味です。
でも、「隠世(かくりよ)」という、ちょっと不気味な花言葉もあります
「隠世」と聞くと、「あの世」を連想させてしまうため、金木犀がちょっと怖い花と思う方も多いようです。
特に、お寺や神社でよく育てられているので、なんとなく縁起が悪いと感じる人もいます。
でも実は、金木犀のこの「隠世」という言葉は、強い香りから来ているんですよ。
金木犀の強い香りは、悪い気を追い払う力があるとも言われています。
そして、「謙虚」という意味も、その小さな黄色い花が控えめに見えるからなんです。
だから、金木犀に悪い花言葉があるからといって、植えちゃいけないなんてことは迷信にすぎません。
風水でいうと、黄色いものを西に置くと金運が上がるそうです。
黄色いお財布なども金運アップに良いと聞きますね。
金木犀は名前に「金」が入っていて、さらに黄色い花を咲かせるので、実は運気を上げるのにいい植物とも言えます。
つまり、「隠世」の花言葉があるからといって悪い意味ではなく、むしろ運を良くしてくれるかもしれません。
木が大きくなりすぎることがある
金木犀を植える時に考えないといけない2つ目の問題は、その強い成長力とすごく大きくなることがあることです。
金木犀は常緑樹なので、だんだんと枝が伸びて大きくなりやすいんです。
小さい木なら管理が楽ですが、金木犀は時間がたつと幅も高さもどんどん大きくなって、剪定するのが大変になります。
常緑樹は冬でも葉が落ちないので、一年中庭を占めてしまって、場所を取るし見た目もごちゃごちゃしてしまいます。
実はこんな管理はプロに頼むとお金が結構かかるんです。
それに、木が思ったより大きくなってしまうと、枝がお隣さんの敷地に入ってしまうことも。
これが原因でご近所さんとの間で問題が起こることもあります。
金木犀がすぐに大きくなってしまう性質と、広がりやすいことから、ちゃんとした剪定やお手入れは欠かせません。
そのため、金木犀を植えるのは避けた方がいいと言われているのですね。
害虫がやってくる
金木犀を育てる時に、忘れてはいけない三つ目の大事なポイントは、害虫がよく寄ってくることです。
普通、木が花を咲かせても、野菜や花みたいに害虫が問題になることは少ないと思うかもしれませんね。
でも、金木犀にも害虫は寄ってきます。
害虫が来ると、葉っぱを食べられたり、病気が広がったり、花がうまく咲かなかったりして、金木犀のきれいさが台無しになるんです。
小さい虫はあまり目立たないかもしれませんが、毛虫やなめくじみたいな大きい虫がつくと、見た目も悪くなります。
毛虫が蛾になると、窓のそばやベランダがもう快適ではなくなってしまいます。
金木犀は大きくなると、横にも縦にも広がるので、害虫を対処するのが難しいです。
高い場所の虫を取るには、脚立やはしごが必要で、特に年をとった人にとっては、その作業が危険です。
害虫が原因でご近所さんから文句を言われることもあるので、大きな木を育てるなら、害虫対策はとても大切です。
金木犀を庭でうまく育てるコツ
さきほど金木犀を育てる上で気になる点を解説しましたが、金木犀の美しい花をどうやって咲かせるかについて知りたいと思う人も多いでしょう。
そこで、金木犀を元気に育てて、その優しい香りを満喫するためのポイントをお伝えします。
金木犀を育てる上で大切なポイントは、大きく分けて三つあります。
根を健康に保つ
金木犀の花をきれいに咲かせるには、まず根の健康が重要です。
鉢植えで育てるなら、将来の成長を見越して、少し大きめの8号サイズの鉢を選びましょう。
鉢が大きすぎると根に空気が行き渡らず、根腐れの原因になるので気をつけてください。鉢から根があふれるようになったら、もう少し大きな鉢に植え替えてあげるといいですよ。
適切な土の選び方
金木犀は水はけが良くて少し酸性の土を好みます。
そのためには、有機肥料と腐葉土を混ぜた土を用意すると良いです。
鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜ、鉢底の3分の1くらいを鉢底石で埋めると水はけが良くなります。
日光への露出
金木犀は日の当たる温かい場所を好むので、日光に関しても気を使いましょう。
完全に日陰よりも、日がよく当たる場所や半日陰が理想です。
実は、空気が綺麗なことも花がよく咲くためには大切で、オゾンなどの汚染物質が多いと、葉が枯れやすくなり、花が咲きにくくなってしまいます。
金木犀の美しい花と香りを守る!知っておきたい害虫対策
秋になると、甘く優しい香りで私たちを癒してくれる金木犀。
その美しい姿と香りを長く楽しむためには、適切なお手入れが欠かせません。
金木犀は比較的病害虫に強い植物ですが、いくつか注意すべき害虫がいます。
ここでは、金木犀を健康に保つための害虫対策について、具体的な方法をわかりやすくご紹介します。
金木犀の主な害虫と見分け方・対策
金木犀に発生しやすい主な害虫は、カイガラムシ、ハダニ、ヨトウムシの3種類です。それぞれの特徴と対策を知って、早期発見・早期対応を心がけましょう。
カイガラムシ:白い綿や貝殻を見つけたら要注意!
✅どんな虫?
葉や枝に白い綿のようなものや、貝殻のようなものが付着しているのを見つけたら、それはカイガラムシかもしれません。植物の汁を吸って株を弱らせるだけでなく、排泄物が原因で葉が黒くなる「すす病」を誘発することもあります。
✅対策は?
予防が肝心: 風通しと日当たりの良い環境を保つことが、何よりの予防策です。枝が混み合っていたら、剪定して風通しを良くしましょう。
見つけたらすぐ対処! 柔らかいうちなら、歯ブラシやヘラでこすり落とせます。
広範囲なら薬剤で: 大量発生してしまった場合は、オルトランやベニカXネクストスプレーなどの殺虫剤が効果的です。
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特に幼虫の発生時期(5月〜8月頃)に定期的に散布すると良いでしょう。
ハダニ:葉の裏の小さな赤い点に注意!
✅どんな虫?
葉の裏に小さな赤い虫(0.5mm程度のクモの仲間)がつき、葉が黄ばんでカスリ状になり、ひどくなると枯れてしまうことも。乾燥した時期に発生しやすいのが特徴です。
✅対策は?
予防は「葉水」で: ハダニは乾燥を嫌うので、定期的に葉に水をかける「葉水」を行うと発生を抑えられます。
発見したら洗い流す: 傷んだ葉は取り除き、葉の裏に水を勢いよくかけて洗い流すのも有効です。
薬剤も検討: 被害がひどい場合は、ハダニに効果のある薬剤を使用しましょう。
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ヨトウムシ:葉っぱを食べる夜盗虫!
✅どんな虫?
昼間は土の中に隠れていて、夜になると出てきて葉を食害する厄介者です。特に新芽が好んで食べられ、生育を妨げます。
✅対策は?
早期発見がカギ: 葉の裏に卵が産み付けられていることが多いので、定期的に葉を観察し、卵や幼虫を早めに見つけて取り除きましょう。
薬剤や誘殺剤で対処: ヨトウムシに効果のある殺虫剤を散布したり、土中に潜む幼虫には誘殺剤も有効です。米ぬかでおびき寄せて捕獲する方法もあります。
害虫予防のための日頃のお手入れ
これらの害虫対策に加えて、日頃から金木犀を健康な状態に保つことが、害虫の発生を防ぐ最も効果的な方法です。
適切な環境作りで健康な金木犀に!
日当たりと風通しを確保: 金木犀は日当たりの良い場所を好みます。枝が混み合っていると風通しが悪くなり、害虫が発生しやすくなるので、適度な剪定で風通しを良くしましょう。
水はけの良い土壌で: 根腐れも株を弱らせ、害虫の発生につながります。水はけの良い場所を選び、土の表面が乾いてから水を与えるようにしましょう。
肥料は適量を: 肥料の与えすぎも株にとって負担になることがあります。適量を守って、バランスの良い施肥を心がけてください。
このように、金木犀の害虫対策は、日頃の観察と早期発見・早期対処が何よりも大切です。
まとめ
金木犀を植えることについて、「植えてはいけない」という話があるのは事実ですが、その理由は主に以下の3つです。
1.迷信を信じて植えるのを避けている
2.金木犀は成長すると非常に大きくなることがある
3.害虫にやられやすいこともある
でも、実際には金木犀を植えてはいけないという決まりがあるわけではありません。
大きくなりすぎたり害虫の問題に注意しながらきちんと手入れをすれば、秋には美しい花と甘い香りを楽しむことができます。
さらに、金木犀はその香りが良運を呼ぶとも言われているます。
あなたもぜひ庭に植えて香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。