月桂樹といえば、その葉を冠にしてスポーツ大会などの優勝者に与えられる月桂冠のイメージがありますよね。
勝利の象徴ともされる月桂樹ですが、もし自宅の庭で育てるなら気をつけたいポイントがあります。
この樹はすごく早く成長するため、予想よりもずっと大きくなることがあります。
料理によく使われる乾燥した葉を持つこの月桂樹は、ローリエやローレルという名前でも知られていますね。
葉が大きく瑞々しい見た目が美しいので、庭に植えたくなる気持ちもよくわかります。
でも何も知らずに育てると困ったことが起きる可能性もあるので、「植えない方がいいよ」という人もいます。
そこでこの記事では、月桂樹を庭に植えるのはなぜ避けたほうがいいのか、その理由と月桂樹を庭で上手に育てるコツについて詳しく説明します。
月桂冠を育てるメリットも色々あるので、ぜひ参考にしてくださいね。
庭に月桂樹を植えてはいけないといわれる理由とは?
庭に月桂樹を植えたいなと思ったとき、注意すべきなのが以下の3つの問題点です。
成長が早く大きくなりすぎる
月桂樹は急速に成長し、10~15メートルの高さに達することがあります。
そのため、庭のスペースが足りなくなったり、家の日当たりを悪くしたりすることがあります。
また、こんなに早く大きくなる木は、年に何回か剪定する必要があるので、手間がかかります。
剪定が苦手な人や身体的に難しい人にとっては、厄介な仕事になるかもしれません。
害虫が集まりやすい
月桂樹にはカイガラムシやハマキムシ、テッポウムシといった害虫がよく集まります。
これらの虫は月桂樹の香りに引かれるので、木が自分で害虫を呼び寄せることになります。
カイガラムシは特に多く見られ、木の成長に悪影響を及ぼすことがあります。
病気にかかりやすい
月桂樹はすす病に罹りやすく、この病気はカイガラムシの排泄物をエサとしてカビが繁殖することで発生します。
すす病になると、葉が黒くなり、植物の光合成能力が低下し、成長が妨げられます。
さらに、月桂樹は植え替え時に根が傷つきやすく、いったん植えたら移動が難しくなります。
これらの点を踏まえて、月桂樹を庭に植える場合は、
・将来の成長
・管理の手間
・害虫や病気のリスク
の3点についてよく考える必要があります。
月桂樹を上手く育てるには
月桂樹は暑さや寒さにも強く、日本の気候によく馴染み育てやすい樹木の一つです。
ただ庭で月桂樹をうまく育てるためには、特に以下の2点に気をつけると良いです。
これらをしっかり行うことで、月桂樹を健康に育てることができ、問題を事前に防ぐことができます。
定期的な剪定
剪定は月桂樹を健康に保つためにとても大切です。
具体的には、
・木があまりにも高くなりすぎないようにするため。
・風通しを良くして、害虫が発生しにくくするため。
月桂樹をそのままにしておくと、どんどん大きくなってしまいます。
枝がいっぱいになると、空気が流れにくくなり、カイガラムシのような害虫が発生しやすくなってしまいます。
この害虫が増えると、樹木にとって有害なすす病を引き起こす原因にもなります。
だから、年に2~3回は成長に合わせて剪定することが大事です。
カイガラムシ対策を施す
カイガラムシは多くの植物にとって厄介な害虫です。
ガーデニングが趣味の人や、本格的に庭作りをしたい人は、カイガラムシを効果的に退治する方法を知っておきましょう。
これらのポイントを実行することで、月桂樹をはじめとする庭の植物を健康に保つことができ、ガーデニングの楽しみもより深くなるでしょう。
月桂樹を育てるメリット
月桂樹の魅力といえば、葉と花の美しさにあるのではないでしょうか。
少し手間のかかる樹ではありますが、そのぶん庭で育てるメリットも十分ありますよ。
どんな場所でも元気に育つ
月桂樹は太陽がたくさんある場所でも、あまり日が当たらない場所でもしっかりと成長します。
お庭の日当たりが心配でも、月桂樹なら大丈夫です。
トゲなどもないので、小さなお子さんやペットのいるご家庭でも安心して植えられるでしょう。
プライバシーの保護に役立つ
月桂樹は一年中葉っぱが茂る常緑樹なので、家の周りに植えれば自然な目隠しになります。
外からの視線を遮ってくれるので、プライバシーが守られます。
ただ、葉が密になりすぎると病気や害虫の心配があるので、適度に手入れすることが大切です。
可愛らしい花と香りを楽しめる
春にはクリーム色っぽい黄色の花が咲いて、庭を明るくしてくれます。
月桂樹の花からは甘い香りがして、庭がさらに素敵な空間になります。
秋にはオリーブ色の可愛い実もなりますよ。
葉を料理に使うだけじゃなく、シンボルツリーとして庭を飾るのにも月桂樹はぴったりといえるでしょう。
月桂樹を小さく育てるには?
成長が早くあっという間に大きくなってしまう月桂樹。
大きくなりすぎず、小さく育てたい場合、定期的な剪定がとても大切です。
この木はそのままだと5~10メートルまで伸びてしまうこともあり、強風などで倒れるリスクもあります。
剪定に最適な時期は春や秋で、枯れた枝や枝が密集している部分を整理することが大切です。
そうすることで木の形をきれいにし、空気の流れを良くすることができます。
さらに、木の成長をコントロールしたいなら、6月ごろに新しい芽を摘み取ることで、成長を抑えることができますよ。
料理に使う葉を目的として月桂樹を植えたい場合は、地植えではなく鉢植えで小さく育てることもできますよ。
月桂樹の庭木は風水では?
月桂樹は、風水的に見ても運気をアップさせてくれる庭木です。
勝利の象徴ともされる月桂樹は、勝利や栄光をもたらす縁起物ともいわれています。
瑞々しい葉は生き生きとした生命力を表し、見るものに癒しと力を与えます。
庭で育てると全体運を引き上げるとされていますよ。
まとめ
この記事をまとめると、月桂樹を庭に植える際に注意したい主な3つの点は、次の通りです。
1.思ったより大きく成長する可能性がある。
2.害虫が付きやすいこと。
3.様々な病気にかかりやすくなること。
でも、これらの問題はちゃんとした手入れと管理で対処できます。
要は、月桂樹自身に大きな欠点があるわけではないんです。
月桂樹は、毒を持っているわけではなく、日本の気候にも合うので、暑さや寒さにも強いんです。
だから、日本の地域ならたいていどこにでも合い、健康に育てることができるでしょう。