グランドカバーとしても人気のクリーピングタイム。
ハーブの一種で、鮮やかな紫の花を咲かせ、踏まれても耐えられる丈夫さが魅力の植物です。
香りも良く、料理やハーブティーにも利用できるので、ガーデニングが趣味の方なら一度は育ててみたいところ。
しかし、クリーピングタイムには「植えて後悔した」といわれるようなデメリットもあることをご存知でしょうか?
管理方法を誤ると思わぬトラブルを引き起こしかねないのです。
でも大丈夫!このブログ記事では、クリーピングタイムを植えてはいけない理由をしっかりと解説しつつ、育てるメリットもお伝えします。
さらに、安全に育てるコツもお教えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
庭にクリーピングタイムを植えてはいけないのはなぜ?
繁殖力の強さ
クリーピングタイムは地面を這うように広がり、茎が節から発根するため、あっという間に庭を覆い尽くしてしまいます。
植えた場所からどんどん広がってしまうと、他の植物の生育を妨げてしまう恐れもあるのです。
クリーピングタイムは、一度植えると簡単には除去できないので、植える場所は慎重に選ぶ必要があります。
もし植えるなら、広がりを抑えるために、植え付け範囲を煉瓦やコンクリートで囲うなどの工夫が必要です。
狭いスペースや他の植物との混植は避けましょう。
多湿で枯れやすい
クリーピングタイムは日当たりと水はけの良い場所を好みます。
多湿の環境だと根が腐りやすく、枯れてしまうことがあるのです。
特に、梅雨の時期や冬場の湿気の多い時期は要注意。
ガーデニング初心者の方は、植物の特性を把握していないと、水やりの加減が難しいかもしれません。
クリーピングタイムに限らず、多くの植物は湿気に弱いので、水はけには気をつけましょう。
土が常に湿っている状態だと、根腐れを引き起こします。
水やりは控えめにして、土の表面が乾いてからたっぷりと与えるのがコツです。
木質化
クリーピングタイムは成長すると茎が硬くなり、木質化してしまいます。
木質化が進むと株が充満して花が咲きにくくなるため、見た目の美しさが損なわれてしまうのです。
そして、木質化した部分を刈り込んで更新しないと、次第に花つきが悪くなります。
株が充満してきたら、古い茎を根元から間引くように切り取りましょう。
こまめなお手入れが美しい姿を保つ秘訣です。
虫を引き寄せる
クリーピングタイムの葉や花には独特の香りがありますが、その香りに誘われて虫が集まってきます。
アブラムシやハダニなどの害虫だけでなく、ミツバチなどの益虫も多く集まるため、庭が虫だらけになってしまうことも。
もしクリーピングタイムに害虫が発生したら、葉の裏側を中心に殺虫剤を散布しましょう。
益虫は大切な存在ですが、あまりに多いと困りますよね。
虫の発生状況を見ながら、香りの強い植物との組み合わせを考えるなど、育てる上での工夫が必要です。
クリーピングタイムをうまく育てるポイント
こまめな剪定
クリーピングタイムを美しく保つには、こまめな剪定がとても大切。
放っておくと茎が伸びすぎて株が充満し、倒れるように広がってしまいます。
また、古い茎は花つきが悪くなるので、見た目も悪くなってしまうのです。
クリーピングタイムの剪定は、開花後の6月頃と秋の2回行うのがおすすめです。
茎が横に広がり始めたら、思い切って株の半分程度を刈り込みましょう。
高さは5cm程度に抑えるのが目安です。
秋の剪定では、古い茎を中心に根元から間引くように切り取ります。
こまめな剪定を行えば、クリーピングタイムを低く這わせた美しい姿に保てますよ。
根止めして広がりを抑える
つる性のクリーピングタイムは、放っておくと周りに広がってしまいます。
植えた場所から勝手に広がると、他の植物の生育を妨げたり、庭の景観を乱してしまったりするかもしれません。
広がりを抑えるには、根止めが効果的です。
根止めの方法として、クリーピングタイムの周りに、煉瓦やコンクリートブロック、石などを埋めて囲むのです。
囲いの高さは、クリーピングタイムの茎の長さより少し高めにするのがポイントです。
また、プラスチック製や金属製の根止め板を地中に差し込むのも手軽な方法ですよ。
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根止めを設置することで、クリーピングタイムの広がりを一定の範囲に抑えることができます。
クリーピングタイムを育てるメリット
丈夫で育てやすい
クリーピングタイムは非常に丈夫な植物で、初心者でも育てやすいのが大きな魅力です。
日当たりと水はけが良ければ、土質を選ばず育ちます。
また、病害虫に強いので、手間をかけずに栽培できるのもうれしいポイントですね。
ガーデニング初心者の方は、手間のかかる植物を育てるのは大変かもしれませが、クリーピングタイムなら安心です。
植え付け後は、水やりと時々の剪定だけでOK。
肥料もそれほど必要ありません。
ガーデニングが初めての方でも、気軽に挑戦できる植物だと言えます。
丈夫で育てやすいクリーピングタイムから、ガーデニングを始めてみてはいかがでしょうか。
耐寒性・耐暑性がある
クリーピングタイムは、耐寒性と耐暑性を兼ね備えた植物です。
寒さにも暑さにも強いので、一年中楽しむことができます。
冬は地上部が枯れても、春になると再び芽吹いてきます。
寒い地域でも保護なしで越冬でき、暑い夏も、水切れさえ起こさなければ元気に育ちます。
グランドカバーとして植えても、年間を通して活躍してくれるでしょう。
春に咲く花が可憐
クリーピングタイムは、5月から6月頃に小さな花を咲かせます。
ピンク、紫、白などの色があり、とても可憐です。
低い位置にびっしりと咲く姿は、まるで絨毯のよう。
景観植物としての利用価値が高い植物だと言えます。
クリーピングタイムは開花時のインパクトが大きいので、グランドカバーや寄せ植えにもおすすめですよ。
花が終わった後も、濃い緑色の葉が美しい草姿を楽しめます。
香りが良い
クリーピングタイムは、シソ科の植物らしい独特の香りを持っています。
葉をこすると、爽やかなハーブの香りが広がります。
虫除けにもなるので、ガーデニングの心強い味方になってくれます。
一度クリーピングタイムの香りを嗅いでみてください。
ガーデニングの時間が、より楽しくなるはずです。
摘み取った葉をポプリにするのもおすすめです。
ハーブとして食べられる
クリーピングタイムは、ガーデニングを楽しむだけでなく、ハーブとしても利用できる植物です。
葉には独特の風味があり、料理の彩りやアクセントとして使えます。
肉料理やスープ、サラダなどに合います。
クリーピングタイムはグランドカバー向き
クリーピングタイムはグランドカバーにもぴったり!
クリーピングタイムは、グランドカバーに最適な植物だと言えます。
その理由は、低く這うように広がる生育特性にあります。
茎が地面を這うように伸びて根を張り、次々と新しい株を作ることで、効率的に地表を覆っていきます。
踏まれても回復力が高いので、庭の空いたスペースを美しく埋め尽くしてくれるでしょう。
また、クリーピングタイムは、植栽してから3年ほどで、1株あたり50cm四方ほどに成長します。
したがって、1平方メートルあたり9株ほどの密度で植えれば、あっという間に見事なグランドカバーができあがります。
さらに、クリーピングタイムは日当たりの良い場所から半日陰まで、幅広い環境に順応できる強健な植物です。
多少の乾燥にも耐えるので、平地だけでなく斜面にも利用できます。
このように、クリーピングタイムはその生育特性から、グランドカバーに適した植物だと言えるでしょう。
寒冷地から暖地まで広く利用できるので、どこに住んでいても活用できる点も魅力です。
ガーデニング初心者の方でも、クリーピングタイムを植えれば手軽にグランドカバーを楽しめます。
アイデア次第で、洋風から和風まで、様々な雰囲気の庭づくりに役立ててくださいね。
まとめ
クリーピングタイムは、手間がかからず育てやすい魅力的な植物ですが、デメリットもあることを理解した上で育てることが大切ですね。
繁殖力が強いので、植える場所は慎重に選びましょう。
また、多湿を嫌うので水はけには注意が必要です。
こまめな剪定で株を若々しく保ち、根止めで広がりを抑えることも忘れずに。
でも、そんなデメリットを乗り越えるだけの魅力が、クリーピングタイムにはあります。
丈夫で育てやすく、寒さにも暑さにも強い。
春には可憐な花を咲かせ、爽やかなハーブの香りを楽しめる。
グランドカバーとしても優秀で、ガーデニングの幅を広げてくれるでしょう。
育て方を工夫すれば、きっとクリーピングタイムの虜になるはず。
ぜひ、この記事を参考に、クリーピングタイムを安全に育てながら、その魅力を存分に味わってくださいね。