一年を通して緑を楽しめるオリーブ。
お庭のシンボルツリーとしても人気の樹木ですよね。
でもSNS上では、「思ったより管理が大変」「オリーブは植えない方が良い」とか、「シンボルツリーにしてしまって後悔している」という書き込みもあります。
たしかにオリーブは成長が早いので管理が大変なうえに、虫害・鳥害も心配です。
そこで植えた後に後悔したいためにも、庭にオリーブを植えてはいけない理由と、オリーブを上手に育てるためのポイントをまとめました。
デメリットをしっかりと理解しておけば、オリーブは植えても問題ありませんのでご安心くださいね。
では見ていきましょう!
なぜオリーブを庭に植えてはいけないの?
一年を通して緑を取り入れられると人気のオリーブですが、育てる上でデメリットもあります。
予備知識なく植えてしまうと後悔するかもしれませんので、覚えておいてくださいね。
虫害
オリーブを植える際に考慮すべき点の一つとして、害虫による被害が挙げられます。
特にオリーブに被害をもたらす害虫には以下の三種類があります。
・オリーブアナアキゾウムシ
・ハマキムシ
・スズメガの幼虫
これらの中でも、特にオリーブアナアキゾウムシには注意が必要です。
この害虫はオリーブの幹に穴を開けて中を食い荒らし、放っておくと木が枯れたり、最悪の場合、木が倒れる恐れさえあります。
害虫をみつけたら一刻も早く駆除しましょう。
実や葉を食べられてしまうと、木の見栄えも良くありません。
鳥害
秋になるとオリーブの実ができます。
そのころ鳥によって果実が全部食べられてしまうことが、オリーブを植えるデメリットの一つとして挙げられます。
熟したオリーブはメジロ、ジョウビタキ、ムクドリといった野鳥に大変人気で、これらの鳥たちが来ては実を全部食べてしまうことがよくあります。
そして、鳥が果実を食べたあとには、食べかすや果汁が地面に落ちて汚れたり、鳥のフンが問題になることもあります。
鳥が来る度に掃除をするのも大変です。
大きくなりすぎる
オリーブの木が早く大きくなる性質は、植える前にしっかり考慮するべき点です。
オリーブを育てるのに適切な場所に植えられた場合、オリーブの木はすぐに成長し、最終的には5~10メートルの高さにもなることがあります。
オリーブには、枝が横に広がる品種と縦に伸びる品種があります。
横に広がる品種の場合、何も手を加えずに放置してしまうと、木が想像以上に大きくなることも。
そうなると庭が手狭になってしまったり、庭だけでなく家への影響も考えられます。
こまめな剪定が必要
ガーデニング初心者にとっては、オリーブの木を美しい形に保つのが難しいことも、オリーブを植えるのを避けたほうがいい理由の一つとされています。
イタリアや小豆島で見られるような美しいオリーブの木に惹かれて植える方も多いですが、枝が不規則に伸びやすく、理想の形に仕上げるのは意外と大変です。
何もしないで自然のままにしておくと、見た目が悪くなることもあります。
また、オリーブの木を剪定するのにも手間がかかります。
木の成長をコントロールし、形をきれいに保つため、また花がよく咲くようにするためには、こまめな剪定が必要になります。
木が大きくなればなるほど、剪定にはハシゴや脚立が必要となり、専門の業者に頼むことで追加の費用が発生することもあります。
風で倒れることも
地植えするオリーブの木ですが、強風に弱く、台風が来た時に風で倒れてしまうことがあります。
オリーブの根は浅く広がっているため、強い風で簡単に根から倒れてしまうのです。
もし木の本体が無事であれば、倒れた木を立て直し、元の状態に戻すことができます。
しかし、倒木でケガをしたり、ご近所トラブルになるのも心配です。
特に台風がよく通るような地域では、オリーブの木は庭に植えない方がいいかもしれませんね。
和風の住宅には合わない
オリーブを植えるとお庭が一気におしゃれに見えますよね。
でもお庭が和風の場合は、あまり似合いません。
オリーブの西洋風の特徴が、和風の雰囲気とはマッチしないからです。
オリーブは西洋のイメージを強く持つため、日本の伝統的な庭や樹木とは全く違った印象を与えてしまいます。
特に、洋風の見た目を持つ庭でも、ツツジ、フジ、梅、松などの日本特有の植物がある場合は要注意です。
これらの日本の樹木とオリーブを一緒にすると、庭の全体的な調和が崩れ、場違いな感じがしてしまうことがあるのです。
実ができない
オリーブの木は一本だけで育てると、実がなりにくいという性質があります。
一部の品種は一本でも実がつきますが、ほとんどのオリーブの品種では、果実を収穫するためには二本が必要です。
そのため、オリーブの果実を目的に植える場合は、一本では足りないことが多いです。
実をつけるためには、植える品種を前もって調べ、必要であれば二本植えましょう。
また、オリーブは大きく成長するため、もし後で追加で植えることになった場合、庭のスペースの問題や見た目の調和を保つことが難しくなる可能性もあります。
目隠しの効果は少ない
オリーブの木を使った目隠しは効果があまり期待できないことも、オリーブを植えるべきでない理由の一つです。
オリーブの木は枝や葉がそれほど密ではないため、植えた場所から向こう側が透けて見えてしまいます。
そのため、生け垣やポーチ周りで人の目を遮るためにオリーブを植えるのは適していません。
もしオリーブを目隠しに使いたい場合は、横に広がる品種を選び、複数の木を近い間隔で植える必要があります。
花がらや葉の掃除が大変
さらにオリーブの木を庭に植えた場合の欠点として挙げられるのが、花や葉がたくさん落ちることです。
6月ごろに花が咲いた後、たくさんの花びらが散り、地面には花がらが大量に落ちます。
また、オリーブは一年を通して緑の葉を保つ常緑樹ですが、特定の時期には葉が黄ばんで落ちる現象も起こります。
木が大きくなればなるほど、落ちる花や葉の量は増え、それに伴って掃除の手間もかかるようになります。
鳥が巣を作ることも
オリーブの木を植えていると、鳩が巣を作るという問題あります。
キジバトは特に、人の近くや自転車のカゴのような低い場所にも平気で巣を作ります。
このため、比較的低い位置にあるオリーブの木にも簡単に巣を構えることがあります。
キジバトによる巣作りが問題となるのは、鳩のフンが大量になることです。
オリーブの木の下がフンで汚れ、衛生面で懸念があります。
さらに、巣に卵や雛がある場合には、撤去をためらうことが多く、対応が難しくなるでしょう。
庭でオリーブをうまく育てるには
庭でオリーブを育てる上で、大切なポイントがいくつかあります。
下記をしっかりと守ることで、オリーブのお手入れがうまくいきますよ。
定期的な剪定
年に2回、春と秋にオリーブの木を剪定する必要があります。
これで木の成長をコントロールし、形を整えることができます。
剪定することで風通しも良くなり、台風などで木が倒れるのを防げます。
虫害・鳥害対策をしっかりと
オリーブアナアキゾウムシという害虫に注意し、3月から11月の間は木や根元をチェックしてください。
害虫を見つけたら「スミチオン乳剤」などの殺虫剤を使いますが、使い方をしっかり確認してから使ってくださいね。
鳥対策には防鳥ネットが有効です。
強い風から守る
強風からオリーブを守るために支柱を立てましょう。
新しく植えたオリーブは支柱で支えることが重要です。
特に台風が多い地域では、支柱がないと木が倒れやすくなります。
実を収穫するために
オリーブの実をたくさん収穫したいなという場合は、2本のオリーブを植えるか、自家受粉する品種を選びましょう。
「ミッション」「ルッカ」「ピクアル」などの品種がおすすめです。
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これらのポイントを守れば、初心者でもオリーブの栽培を成功させることができるでしょう。
オリーブの木はシンボルツリー向き?
デメリットはあるけど、オリーブは庭のシンボルツリーにぴったり!
庭づくりにおいて、シンボルツリーの選択は重要な要素のですよね。
その中でも、オリーブの木はシンボルツリーとして最適な選択肢の一つと言えるでしょう。
オリーブの木は、平和、知恵、豊穣、不死、勝利などを象徴しており、庭に深い意味を与えてくれます。
また、美しい銀葉を持ち、風になびく姿は優雅で魅力的です。
樹形もユニークで印象的なため、庭の中心的存在となり得ます。
さらに、オリーブの木は寒さと暑さに強く、日本の気候に適応しやすいという特徴があります。
加えて、非常に長生きで、何百年も生き続けることができるため、長く庭を見守ってくれるシンボルツリーとして最適です。
観賞用としてだけでなく、オリーブの実は食用として利用でき、オイルの原料にもなるため、実用的な価値もあります。
このように、オリーブの木は象徴性、美しさ、耐久性、長寿、実用性を兼ね備えた素晴らしい庭木です。
庭のシンボルツリーとしてオリーブの木を選ぶことで、庭が特別な意味を持つ空間になること間違いなしでしょう。
まとめ
オリーブは成長速度が速いことや、害虫や鳥からの被害が気になるかもしれませんが、ちゃんとした管理をすれば、庭での栽培が楽しめますよ。
多くの異なる品種が存在し、それぞれ形状、花が咲く時期、果実のタイプや使い道が異なるのがオリーブの特徴です。
植える前に、しっかりと種類や特性について調べておくことで、栽培の失敗や後悔を防ぐことができます。
オリーブの実をたくさん得るにはしばらく時間がかかりますが、収穫時には大きな満足感が得られます。
もし庭に十分なスペースがあれば、オリーブの栽培に挑戦して、その成長を見守ってみてください。