ツルニチニチソウは春から初夏にかけて、青や白の美しい花を咲かせます。
日陰の場所でも元気に育ち、温度変化にも強いため、非常に丈夫な植物です。
この植物の葉には特有の斑点や縁があり、見た目が非常に魅力的ですが、ツルが急速に広がるため管理が大変なこともあります。
実は、ツルニチニチソウは植える時に特別な注意が必要な植物。
インターネットで「ツルニチニチソウ 駆除」と検索すると多くの件数があり、その繁殖力に頭を悩ませている人が多いことがうかがえます。
この記事では、なぜツルニチニチソウを植えてはいけないのか、その理由を詳しくご説明します。
お手入れは大変ですが観賞用として一年を通じて楽しめるツルニチニチソウ。
庭に植えてみたい!という方はぜひこの記事を参考にしてくださいね。
なぜ庭にツルニチニチソウ植えてはいけないの?
すぐに広がってしまうから
ツルニチニチソウはつる性の亜低木で、斑入りの葉をもつものが人気の観賞用の植物です。
虫害も少なく、明るい日陰なら育てることができるのでガーデニング初心者向けの植物ともいえます。
しかし、「庭にツルニチニチソウ植えてしまって後悔・・」なんて声もよく聞きますね。
その一番の理由が、強い繫殖力です。
ツルニチニチソウは、庭に植えるとその強い繁殖力で急速に増えるため、問題となることが多いです。
最初は小さな苗から植え始めても、時間が経つにつれて庭の大部分を占拠することがあります。
この植物は急激に成長し、他の植物の生育スペースを侵害してしまうことがあります。
ツルが様々な方向に伸び、節からは新しい根が生じ、新しい株が次々と形成されていきます。
他の花や木と一緒に育てていると、他の植物がうまく成長しないことも多々あります。
また、ツルニチニチソウは「生態系被害防止外来種リスト」にも掲載されている外来種で、日本の自然環境に悪影響を与える可能性が指摘されています。
このため、庭に植えること自体に疑問を持つ方もいます。
でも一般的にホームセンターで販売されており、特定の条件下での栽培が禁止されていないため、適切に管理すれば大きな問題はないとされています。
除草が大変
一度ツルニチニチソウを植えると、除草が非常に難しいため避けた方が良いといわれています。
この植物は一度地中に根を張ると、表面の部分を取り除いても再び新しい芽が出てきてしまいます。
そのため、完全に枯らすことが難しいのです。
ツルニチニチソウを根絶するためには、以下の方法がありますが、どれも手間はかかります。
・除草剤を使って根本から枯らす
・土を深く掘り返して根をすべて取り除く
このように手入れに手間がかかるため、経験者の多くが「ツルニチニチソウを植えてはいけない」とアドバイスするのでしょう。
一度庭に植えると、自然には枯れにくいため、取り除くのが非常に困難です。
この多年生常緑植物は寒さや陰にも強く、過酷な環境でも生き残ることができるからです。
微量の毒性がある
ツルニチニチソウにはアルカロイドと呼ばれる毒素が含まれていますが、その量は非常に少ないため、通常は健康に害を及ぼすことはありません。
これを聞くと、特に小さい子どもやペットのいる家庭では植えることをためらうかもしれませんね。
しかし、ツルニチニチソウを大量に摂取しない限り、問題を引き起こすことはほとんどありません。
子どもやペットが少量を口にしてしまっても、通常は大きな健康被害にはつながりません。
実際にツルニチニチソウによる具体的な被害報告はインターネット上でもほとんど見つかっていないことから、その危険性は非常に低いと考えてよいでしょう。
ツルニチニチソウを育てるメリット
ツルニチニチソウは、その繁殖力が強く問題を引き起こすこともあるにも関わらず、日本でも多くの人に愛されています。
それはなぜなのでしょうか?
葉や花が美しい
ツルニチニチソウは少し手間がかかるかもしれませんが、観賞用としてはとても魅力的な植物です。
庭で育てるとグラウンドカバー、コンテナ、吊り鉢など、長いつるを活かしてさまざまな方法で楽しむことができますよ。
春から初夏にかけて青や白の花を茎の葉腋から咲かせますが、ガーデニングにおいては特に緑の葉に白や黄色の斑が入る斑入りの品種が人気です。
これらの品種は花つきは少し控えめですが、斑のパターンに多様性があり、一年を通じて楽しむことができます。
春には青紫色の可愛らしい花が咲きます。
耐寒性、耐陰性、耐乾性に優れていて育てやすいのもツルニチニチソウの特徴です。
日向から明るい日陰で栽培でき、病気や害虫にも強いので、ガーデニング初心者にも育てやすいのが特徴です。
花言葉が素晴らしい
ツルニチニチソウの花言葉には「楽しい思い出」「優しい追憶」「生涯の友情」「初恋」といった非常にポジティブな意味が込められています。
特に「楽しい思い出」は哲学者ジャン・ジャック・ルソーにちなんでいると言われ、多くの人々を魅了しています。
幸せを呼ぶ言い伝えも
さらに、古代ヨーロッパの言い伝えによれば、ツルニチニチソウを身につけることで悪を遠ざけ、繁栄や幸福を呼び寄せるとされています。
ヨーロッパの厳しい冬を耐え抜くその強さから、「不死の力」や「魔力」を持っているとさえ信じられていたほどです。
これらの特徴が、冬でも緑の葉を保つツルニチニチソウの人気を支え、色のない庭に彩りを添える理由となっています。
そのため、今でも多くの人々がこの植物を庭に育てているのでしょう。
庭でツルニチニチソウを上手く育てるポイント
こまめな剪定
ツルニチニチソウのツルはすぐに伸びるため、定期的に茎を切り詰めることが大切です。
これによって成長をコントロールしやすくなります。
切り取った茎は新たに根を張ることがあるため、そのまま放置しないできちんと処理することも大切ですよ。
鉢植えで栽培
地植えの代わりに鉢植えで育てることで、根の拡散を防ぐことができます。
これにより、ツルニチニチソウが庭全体に広がるのを効果的に抑制できます。
植木鉢やプランター、庭の一部を区切って育てると、「ここからここまで」と植物の成長範囲を人工的に設定することができるからです。
これにより、ツルニチニチソウの繁殖力を気にすることなく、安全に育てることができますね。
また、ツルニチニチソウは「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されている植物です。
剪定した茎や葉は庭の外に出さないようにし、適切に処理することが必須です。
これらの管理方法をしっかりと実践することで、ツルニチニチソウを安全に育てることができます。
手入れの際は手袋を
剪定作業をする際は、念のために手袋を着用し、作業後には手を洗うなど、手の保護を心がけてください。
これで植物からの刺激物質による影響を防ぐことができます。
まとめ
ツルニチニチソウが植えないほうがいいといわれる主な問題点は、次の三つです。
・強い繁殖力
・除草の難しさ
・毒性があること
もし庭にすでにツルニチニチソウが生えていて、それを完全に除去したい場合は、除草剤を使用するか、土を深く掘り返して根を丁寧に抜く必要があります。
根を一度に全て取り除くのは難しいため、時間がかかるかもしれませんが、除草剤を使えない場合は、根気強く手で抜く方法が効果的です。
ツルニチニチソウには扱いにくい面がありますが、そのかわいらしい花や美しい葉を楽しめることは育てる上での大きなメリットといえるでしょう。
また、花言葉がポジティブであり、ヨーロッパでは幸福をもたらす植物とされています。
これらの点を理解した上で植えれば、その魅力を十分に楽しむことができるでしょう。
適切に管理すれば、ツルニチニチソウはとても魅力的な植物になりますので、挑戦してみる価値があります。