アロエは、古くから薬用や食用として親しまれてきた植物です。
その人気は根強く、街中を歩けば、多くの民家の庭先でアロエを目にすることができます。
しかし、その一方で、「アロエを庭に植えるべきではない」という否定的な意見も聞かれます。
一体、どのような理由があるのでしょうか？
そこで、この記事では以下の点について詳しく説明していきます。
・アロエを庭に植えることを避ける理由
・庭でアロエを育てる際の注意点
・アロエを庭に植えることのメリット
これらの情報を理解することで、アロエを庭で育てることに関する不安や疑問を解消し、適切な方法でアロエを育てることができるはずです。
アロエのもつ魅力を存分に楽しみながら、庭での育成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
きっと、アロエが庭にもたらす喜びに気づくことができるはずです。
庭にアロエを植えてはいけない理由とは？
アロエを庭に植えることには、いくつかの注意点があります。以下の3つの理由から、アロエの庭植えは避けるべきだと言われているのです。
・アロエの繁殖力が非常に高いこと
・冬の寒さに弱いこと
・犬や猫にとって毒性があること
繁殖力の高さ
まず、アロエの繁殖力の高さについて見てみましょう。
アロエを一株植えるだけで、それが横方向にどんどんと広がり、勢力範囲を拡大していきます。
高さは2mほどまでしか伸びませんが、横への広がりには限りがないのです。
そのため、アロエの脇を通る際に、トゲが服に引っかかったり、通行の邪魔になったりすることもあります。
また、アロエは多肉植物のイメージが強く、茎は力を加えれば簡単に折れると思われがちですが、実際には植えてからしばらくすると木質化して硬くなります。
こうなると、手で簡単に折ることは不可能です。
そして、放置して伸び放題になったアロエを撤去するのは大変な作業です。
木質化した茎を切るためには、ノコギリや剪定バサミなどの道具が必要ですし、硬いので伐採には力仕事が伴います。
さらに、アロエは水分を大量に含むため、刈り取った枝は相当な重量になります。不要になったアロエをサッと撤去するのは難しいのです。
耐寒性の弱さ
次に、アロエが冬の寒さに弱いという点について考えてみましょう。
アロエの原産地は、アフリカやアラビア半島にかけての地域です。
そのため、耐寒性はやや低めで、品種によっては霜が降りたり雪が降ると枯れてしまうことがあります。
気温が0℃以下に下がると危険なので、関東以北の寒い地域では、そもそもアロエを庭に地植えにするのは難しいでしょう。
ペットが中毒を引き起こすおそれも
最後に、アロエが犬や猫にとって毒性を持つという点も重要です。
もしアロエを誤って食べてしまうと、犬や猫は嘔吐や下痢などの中毒症状を起こす危険性があります。
これは、アロエの葉や葉腋にバルバロイン、サポニン、アントラキノンといった、犬猫にとって毒となる成分が含まれているためです。
これらの成分は人間にとってはプラスの効果がありますが、犬猫には逆効果なのです。
アロエを庭に植えると、誤食の危険性があるため注意が必要です。
以上のように、アロエを庭に植えることには、繁殖力の高さ、冬の寒さへの弱さ、犬猫への毒性という3つの問題点があります。
これらの点を考慮し、アロエの庭植えを避けるか、適切な対策を講じることが重要です。
アロエをうまく育てるポイント
どうしてもアロエを家庭で育てたいという方は、以下の2つのポイントを押さえておくことをおすすめします。
・定期的な手入れを行うこと
・寒い地方では鉢植えを選ぶこと
定期的な手入れを行う
まず、アロエを庭の花壇に植えたら、決してそのままほったらかしにしてはいけません。
放置すると、アロエが横に広がって邪魔になるだけでなく、見た目も悪くなってしまいます。
アロエが伸びてきたと感じたら、思い切って剪定して成長を抑制することが大切です。
寒い地方では鉢植えを選ぶ
次に、冬に必ず雪が降り積もるような寒い地方では、アロエの庭植えは避けたほうが賢明でしょう。
特にアロエベラは寒さに弱いタイプのアロエです。
そのような地域では、冬の間は室内に取り込める鉢植えでアロエを栽培するのがベストな方法です。
また、やんちゃな犬や猫がいるご家庭で、ペットがアロエを誤って食べてしまうことを心配される場合も、鉢植えが適しています。
鉢植えなら、自由自在に場所を移動できるため、ペットの手の届かない場所に置くことができるのです。
以上の2つのポイントを押さえることで、アロエを庭で安全に育てることができるでしょう。
定期的な手入れと、環境に合わせた栽培方法の選択が、アロエを健康的に育てるカギとなります。
アロエのもつ魅力を存分に楽しみながら、適切な管理を行うことで、庭やベランダをアロエの美しさで彩ってみてはいかがでしょうか。
きっと、アロエの成長を見守る喜びを感じることができるはずです。
庭でアロエを育てるメリットも
庭の景観を豊かにする素晴らしい植物として、アロエがあります。
この多肉植物には、以下のような魅力的な特徴があります。
寒い冬に鮮やかな花を楽しめる
冬の寒さで多くの植物が葉を落とす中、キダチアロエは12月から2月にかけて鮮やかな赤い花を咲かせます。
この円筒状の花は、寒い季節の庭に生命力と色彩をもたらします。
冬の寂しげな風景に、貴重な活気を与えてくれるのです。
ガーデニング初心者にも育てやすい
アロエは、園芸の経験が浅い方でも管理しやすい植物です。
高い耐暑性を持ち、病気や害虫の問題も少ないため、初心者にも適しています。
冬の寒さには注意が必要ですが、それ以外の環境要因による影響は比較的少ないです。
むしろ、旺盛な成長力のコントロールが主な課題となるでしょう。
これらの特性により、アロエは庭の魅力を高める理想的な選択肢の一つとなっています。
特にキダチアロエは、その美しい花と育てやすさから「医者いらず」という愛称で親しまれています。
まとめ
アロエは、その高い繁殖力ゆえに、庭に植えることを避けるべきだと言われることがあります。
しかし、定期的な手入れを行えば、アロエの成長をコントロールすることは可能です。
寒い地方を除けば、アロエを地植えにしても問題はないでしょう。
こまめなお手入れが難しいのであれば、地植えでなく鉢植えで育てると良いでしょう。
