秋になると、鮮やかな赤い花で見る者を楽しませてくれる彼岸花。
平安時代には中国から伝わっていたといわれ、日本でもなじみの深い花です。
毎年、秋になると彼岸花が咲くのを楽しみにしているという方も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな彼岸花を植えたのに花が咲かないとお悩みの方も多いようです。
本記事では、彼岸花の花が咲かない主な原因とその対処法について詳しく解説します。
秋に彼岸花が咲かない原因とは？
秋の風情を感じさせる彼岸花ですが、きちんと育てないと花が咲かないことがあります。
せっかく植えたのに花が見られないのは残念ですよね。
でも大丈夫、ちょっとしたコツを掴めば、あなたも見事な彼岸花を咲かせることができますよ。
ガーデニング初心者の方にもわかりやすいよう、彼岸花が秋に花を咲かせない原因と対策を詳しくまとめました。
日照不足
彼岸花は日光が大好きな植物です。
十分な日光を浴びないと、花芽を形成するのが難しくなってしまうんですね。
一日に6時間以上、できれば8時間くらいの日照が必要だと言われています。
特に大切なのが、花芽を形成する6月から8月にかけての日照です。
この時期にしっかりと日光浴をさせてあげることが、秋の開花のカギを握っています。
彼岸花を植える際は、一日中日の当たる場所を選ぶようにしましょう。
建物の陰になったり、大きな木の下だったりすると、十分な日照が得られません。
東向きか南向きの、空の開けた場所が理想的でしょう。
もし十分な日照が得られない場所に植えてしまった場合は、花が咲かない原因になってしまうかもしれません。
水不足・水のやりすぎ
彼岸花は水加減が難しい植物としても知られています。
水を与えすぎても、与えなさすぎてもいけないんです。
土が乾燥しすぎると球根が弱ってしまいますし、逆に水を与えすぎると球根が腐ってしまう危険性があります。
水やりのタイミングは、土の表面が乾いたときです。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が出るくらいまでたっぷりと水を与えましょう。
そして、次の水やりは土の表面が再び乾くまで待つ。
これの繰り返しです。
目安としては、真夏は2-3日に1回、それ以外の季節は7-10日に1回くらいが適当でしょう。
水はけが悪い
彼岸花を植える土も重要なポイントです。
水はけの良い、軽めの土を選ぶように気をつけましょう。
重たい土や粘土質の土は水はけが悪く、球根腐れの原因になります。
市販の球根用の土を使うのがおすすめです。
栄養不足
彼岸花は栄養をたくさん必要とする植物なので、肥料を上手に与えることが美しい花を咲かせるコツです。
特に大切なのが、花後の11月と、春先の3月の施肥です。
この時期に、骨粉や油かすなどの有機質肥料を与えることで、翌年の開花に必要な栄養を蓄えることができるんです。
また、花芽を形成する6月ごろにも、追肥を施すと良いでしょう。
液体肥料を2週間に1回くらいの頻度で与えるのがおすすめです。
追肥を施すことで、花芽の充実が図れます。
化成肥料などの即効性の肥料は控えめにし、有機質肥料を中心に与えるようにしましょう。
有機質肥料は長い時間をかけてゆっくりと効いてくるので、球根を健康に育てるのに適しています。
球根が未成熟
彼岸花の球根は、充実するまでに時間がかかります。
植え付けてから3～4年くらいは、十分な栄養を与えても花が咲かないことがあるんです。
球根が小さいうちは、茎や葉を養うことに栄養を使ってしまうため、なかなか花芽を作れないんですね。
あせらずに、球根が充実するまで根気強く育てることが大切です。
毎年葉が茂るようであれば、球根は少しずつ大きくなっているサインです。
4年目くらいになれば、りっぱな花を咲かせてくれるはず。
また、株分けをする際は、球根を傷つけないよう注意が必要です。
彼岸花の球根は繊細なので、乱暴に扱うと花芽を作る力が弱くなってしまいます。
株分けは3～4年に1回、花後の11月か12月に行うのが適期。
大きめの球根を選び、丁寧に植え付けましょう。
根詰まり
鉢植えの彼岸花の場合、根詰まりを起こすと花芽が作られにくくなります。
鉢の中で根が回りきってしまうと、栄養や水分が不足しがち。
結果として、花芽を作るエネルギーが作れなくなってしまうんです。
根詰まりを防ぐには、3年に1回くらいのペースで、大きめの鉢に植え替えるのが有効です。
株が大きくなってきたら、8号以上の大きめの鉢を選びましょう。
鉢底の石は外して、新しい土に植え替えます。
古い土は軽く落として、根を痛めないよう注意しながら丁寧に植え替えを行います。
庭植えの場合は、りん片葉の先端が地面から出るくらいの深さまで、株の周りに土寄せをするのがおすすめです。
土寄せをすることで、日光や水分を十分に得られるようになり、花芽を作りやすくなります。
暑さの影響
夏の暑さが厳しすぎると、せっかく作った花芽が枯れてしまうこともあるんです。
彼岸花は比較的暑さに強い植物ですが、高温多湿には弱い面も。
特に真夏の直射日光は、花芽にダメージを与えかねません。
7月から8月にかけての高温期は、風通しの良い日陰で管理するのがおすすめです。
木陰や建物の北側など、1日のうち数時間は日陰になる場所を選びましょう。
西日が当たるのは厳禁。強い日差しは避けたいところです。
鉢植えなら、少し大きめの鉢を選ぶのも一案ですね。
鉢土の量が多いほど、温度変化が緩やかになります。
急激な温度変化を和らげることで、暑さから球根を守ることができるんです。
以上が、彼岸花が秋に花を咲かせない主な原因です。
彼岸花の特性をよく理解して、愛情込めて世話をすることが何より大切といえるでしょう。
きっとあなたの愛情に応えて、美しい花を咲かせてくれるはずです。
ガーデニングを楽しみながら、彼岸花との付き合い方を学んでくださいね。
彼岸花の葉っぱしか出ない原因と対策は？
彼岸花を植えたのに、葉っぱしか出てこない。
そんな経験をしたことはありませんか？
せっかく秋の花を楽しみにしていたのに、肝心の花が咲かないのは残念ですよね。
でも安心してください。
葉っぱしか出ない原因を理解して、適切な対策を施せば、来年はきっと美しい花を見ることができますよ。
1. 植え付け時期が遅い
彼岸花の球根を植え付ける適期は、7月から8月にかけての夏。
この時期に植え付けることで、秋までに十分な栄養を蓄えて、花を咲かせる準備ができるんです。
しかし、9月以降に植え付けてしまうと、花を咲かせるには時期が遅すぎるんですね。
植え付けが遅れると、その年は葉っぱしか出ない可能性が高くなります。
対策としては、来年に向けて、7月から8月に植え付けをするよう心がけましょう。
球根を買う際は、品質の良いものを選ぶことも大切です。
しっかりとした球根を適期に植え付けることが、花を咲かせるための第一歩なんです。
2. 球根の植え方が不適切
彼岸花の球根は、植え方を間違えると花が咲きにくくなってしまうんです。
球根の向きを間違えて植えたり、深さが浅すぎたりすると、せっかくの栄養が葉の成長にばかり使われてしまい、花芽を作るエネルギーが不足してしまいます。
正しい植え方は、球根の先端（とがった方）を上に向けて、地表から10～15cm の深さに植えること。
あまり深く植えすぎても、逆に浅すぎてもいけません。
また、球根の周りには、ある程度の間隔を空けるのがポイントです。
隣り合う球根との間隔は、15cm くらいが適当でしょう。
植え付けの際は、掘った穴に腐葉土や堆肥を混ぜ込むのもおすすめ。
有機質に富んだ土は、球根の生長を助けてくれます。
3. 日照不足
彼岸花は、十分な日光がないと花芽を形成しにくい植物です。
特に、花芽を作り始める6月から8月にかけての日照量が重要です。
この時期に十分な光を浴びないと、葉ばかりが茂って花が咲かない、なんてことになりかねません。
彼岸花を植える場所は、1日に6時間以上直射日光が当たる、明るい場所を選びましょう。
木陰や建物の影になる場所は避けるのが賢明です。
もし十分な日照が得られない場所に植えてしまった場合は、来年に向けて植え替えを検討してみてください。
4. 肥料不足
彼岸花は、美しい花を咲かせるために多くの栄養を必要とする植物です。
球根の肥大や花芽の形成には、十分な栄養が欠かせません。
肥料不足が続くと、葉の成長はするものの、花を咲かせるエネルギーが作れなくなってしまうんです。
花後の11月と、春先の3月に、骨粉や油かすなどの有機質肥料を施すのがおすすめです。
この時期の施肥が、来年の開花を大きく左右するんですね。
さらに、6月頃に追肥として液体肥料を与えることで、花芽の充実が期待できます。
化成肥料など即効性の肥料は控えめにし、ゆっくりと効く有機質肥料を中心に与えるのがコツ。
あまり濃い肥料を与えすぎるのは逆効果なので注意しましょう。
5. 球根の未熟・老化
彼岸花の球根は、毎年少しずつ大きくなっていきます。
植え付けてから3～4年ほどは、球根が充実するまでの期間といえます。
この間は、葉ばかりが茂って花が咲かないことも珍しくありません。
球根が未熟な時期は、花を諦めて来年に期待するのが得策かもしれませんね。
逆に、古株になると花つきが悪くなることもあります。
10年以上経った株は、球根の老化が進んでいる可能性があります。
こんな時は思い切って株分けをして、若返りを図るのが有効です。
3～4年に1回、花後の11月頃に株分けを行うのがおすすめ。
大きくて健康そうな球根を選んで植え直しましょう。
6. 水やりの失敗
彼岸花は水やりにシビアな植物。
水を与えすぎても、逆に乾燥し過ぎてもストレスを感じてしまうんです。
水やりの失敗が原因で、葉ばかりが茂って花が咲かない、なんてこともあり得ます。
彼岸花に水を与えるタイミングは、土の表面が乾いたとき。
鉢底から水が出るくらいまでたっぷりと与えるのがコツです。
水やりの際は、葉に水をかけすぎないよう注意。
葉が濡れたままだと、病気の原因にもなりかねません。
水をかけるのは土の表面だけにして、葉は濡らさないようにしましょう。
また、水はけの悪い重たい土に植えてしまうと、根腐れを起こして花が咲かなくなることもあります。
市販の球根用の土を使うなど、通気性と排水性の良い土を選ぶのが賢明です。
以上が、彼岸花の葉っぱしか出ない原因と対策のまとめです。
原因を正しく理解して、一つ一つ対策を施していけば、来年は見事な花を咲かせてくれるはず。
諦めずに、根気強く彼岸花と向き合うことが大切です。
彼岸花を増やしたい時は？
彼岸花を殖やすには、いくつかの手法がありますが、最もポピュラーなのは分球という方法です。
では、具体的にどのようなステップで行うのか解説します。
まず、分球のタイミングですが、地上部の葉が枯れ始めた頃が目安となります。
この時期を見計らって、土を丁寧に掘り起こし、地中に眠る球根を掘り出します。
掘り出した球根を手に取ったら、次はいよいよ分球の作業です。
球根をよく観察すると、自然に分かれやすそうな部分が見えてくるはず。
その部分から、優しく手で分けていきましょう。
無理に引き離すのではなく、球根に負担をかけないよう、そっと分球するのがコツです。
分球が終わったら、分けた球根を新しい植え場所に植え付けます。
すぐに植え付けられない場合は、乾燥を防ぐ工夫が必要です。
湿らせた新聞紙や布で球根を包み、一時的に保管しておくのがよいでしょう。
上記のように、彼岸花の分球は、決して難しい作業ではありません。
ただし、タイミングを逃さず、丁寧に球根を扱うことが何より大切です。
まとめ
彼岸花が花を咲かせない理由は、いくつかのポイントが挙げられます。
植え付け時期の遅れ、球根の向きや深さの間違い、日照不足、肥料不足、球根の未熟や老化、水やりの失敗などが主な原因です。
このような問題を解決するには、適期の植え付け、正しい植え方、十分な日光と栄養、適切な水やりが欠かせません。
彼岸花の特性をよく理解し、愛情を込めて育てることが、美しい花を咲かせるコツなのです。
彼岸花は、繊細な花の印象とは裏腹に、丈夫で育てやすい植物です。
きちんとした管理を施せば、毎年見事な花を楽しむことができるでしょう。
日本各地には、彼岸花の名所も数多くあります。
ガーデニングを楽しみながら、色々な種類の彼岸花を楽しむのも素敵ですね。
