秋から冬の寒くなる時期に、可愛らしい黄色い花を咲かせるツワブキ。
漢字では「石蕗」と書き、山菜の一種で食べることも可能です。
観賞用・食用としても楽しめる植物なので、庭先に植えたいと思う方もいると思います。
実は、ツワブキには毒性があることと、可愛らしい見た目に反して繁殖力が強いことなどから「庭に植えてはいけない」と言われることもあるんです。
そこでこの記事では、庭にツワブキを植えてはいけない理由と、うまく育てるポイントについて詳しく解説します。
なぜ庭にツワブキを植えてはいけないの?
ツワブキを庭に植えない方が良いといわれる理由は、
・毒性があるから
・繫殖力が強く増えすぎる
・葉が大きくて花が目立たない
・洋風の庭に合わない
という4点です。
毒性があるから
ツワブキには、ピロリジジンアルカロイドという天然の毒素が含まれています。
聞き慣れない名前ですが、これには人体に影響を与えるリスクがあります。
特に小さな子どもやペットがいる家庭では、誤食事故が心配されます。
ただし、観賞用に限定して育てるなら心配はいりません。
また食用として使いたい時も、適切に処理すれば食べることも可能なのでご安心くださいね。
繫殖力が強く増えすぎる
ツワブキは常緑性の多年草ですが、日陰や日の当たらない場所にも強い性質を持ちます。
また一度植えると地下茎やこぼれた種子でぐんぐん成長し、あっという間に庭全体を覆ってしまうこともあります。
ツワブキの花が咲く時期には花を狙ったハチやチョウも集まるため、庭の管理が難しくなることがあります。
葉が大きくて花が目立たない
ツワブキの葉は大きく、目にも鮮やかな艶々とした濃い緑が特徴です。
しかし、大きいものでは長さが20cmにも達することがあります。
手のひらよりも大きい葉が原因で、花が咲いても目立たず、他の植物も育てている場合は調和が難しくなることも。
特に、狭い場所では大きくなりすぎた葉が邪魔になることがあります。
洋風の庭に合わない
ツワブキはアジア原産の植物で、菊(デイジー)に似た花を咲かせる和風の植物です。
このため、和風テイストや和モダンの庭によく似合います。
ただ洋風の庭にはマッチせず、他の植物と育てていると浮いてしまい違和感を抱くことも・・。
特に、現代的な洋風のデザインの庭や家には不釣り合いな場合があります。
ツワブキを上手く育てるポイント
庭に植えない方が良いとされるツワブキですが、育てる上で以下の注意点をおさえておけば、安全に育てることができますよ。
地植えより鉢植えで育てる
子どもやペットがいるご家庭では、ツワブキを安全に育てるために鉢植えをおすすめします。
鉢植えにすることで、子供やペットが手が届かない場所に置くことができ、誤って食べてしまうリスクを低減できます。
また、鉢植えはツワブキが勝手に広がるのを防ぐ効果もあります。
さらに、地下茎が広がるのを抑えるためには、ツワブキを特定の区画に植える方法も有効です。
根の広がりを止める「根止め」を使って区画を囲うと、ツワブキがその区域外に広がるのを防ぐことができます。
こまめに剪定する
ツワブキが広がりすぎないように、こまめに剪定することが重要です。
そのままにしておくと、ツワブキは横にどんどん広がってしままいます。
そうなると庭の見た目が悪くなるだけでなく、周りのスペースを圧迫します。
定期的に剪定を行うことで、ツワブキの成長を適切にコントロールし、見た目も整えることができます。
花がらの処理
ツワブキの花が散った後、種が飛散するのを防ぐためには、花がらを早めに取り除くことが大切です。
これは花が枯れた後に綿毛が形成されてしまうと、風に乗って種が遠くまで飛ばされるためです。
綿毛ができる前に花がらを摘むことで、自分の庭だけでなく、周囲の家への種の広がりも防ぐことができますよ。
ツワブキが庭向きな理由と育てるメリット
秋の庭を鮮やかに彩る
ツワブキの花は10月から11月にかけて咲きます。
この時期、多くの植物が活動を休止し始めるため、ツワブキの鮮やかな黄色の花が庭に彩りを加えてくれます。
食べることができる
ツワブキには毒性が含まれているため、生で食べることはできません。
でも適切にアク抜きを行えば安全に食べることができます。
アク抜き後は、さまざまな和食料理に利用することが可能です。
初心者にも育てやすい
ツワブキは日本原産で、耐寒性と耐暑性に優れているため、日本の気候にも強いです。
日陰の多い庭でも生育可能で、特に地植えの場合はあまり手間がかかりません。
繁殖力も強く、病害虫もそれほど心配いらないため、ガーデニング初心者にも育てやすい植物といえるでしょう。
ツワブキの花言葉と風水では?
ツワブキの花言葉には「謙遜」「愛よ甦れ」「困難に負けない」「先を見通す能力」といったポジティブな意味が込められています。
これらの花言葉は、日陰にも咲くツワブキの健気な様子、芯の強い様からきているのでしょう。
ツワブキの花言葉に怖い意味はなく、庭に咲くツワブキからポジティブなインスピレーションを受けるのにぴったりです。
また、ツワブキはその明るい黄色い花で有名で、黄色は風水では「安定」や「健康」の象徴とされています。
このため、ツワブキを植えると家庭運や健康運が向上すると言われ、縁起が良いと考えられています。
この美しい花は運気を良くする効果も持っているため、庭の装飾やプレゼントとしても最適です。
ツワブキを使って、お家にポジティブなエネルギーを呼び込むのはいかがでしょうか。
まとめ
ツワブキを庭に植える際に気をつけたい点は以下の四つです。
1.毒性がある。
ツワブキには天然の毒素が含まれており、特に幼児やペットが誤って食べると危険です。
しかし、しっかり管理すれば問題を避けることができます。
2.繁殖力が強い。
ツワブキは自然に広がりやすいので、定期的に剪定してコントロールすることが重要です。
3.葉が大きく目立つ。
ツワブキの大きな葉は存在感があり、和風の庭には良く合いますが、洋風の家では馴染みにくいことがあります。
4.デザインとの調和が難しい。
ツワブキが庭のデザインに合うかどうかをよく考えてから植えることが大切です。
庭のスタイルに合わせて植えると良いでしょう。
これらを考慮してツワブキを適切に管理すれば、庭の美しさを楽しむことができます。
ツワブキは大きくなりやすいため、若いうちから葉の手入れを心がけることをおすすめします。
ツワブキはふきのような触感と風味を持ち、アク抜きをすることで安全に食べらることができます。
上手に育てれば、料理の材料としても活用できますよ。