寒い冬も葉が美しく、春になると可愛らしい花を咲かせるアジュガ。
茎が地面をしっかり覆うので、グランドカバーとして植えたい方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
・庭にアジュガを植えてはいけないとされる理由
・アジュガを育てるメリット
・アジュガをうまく育てるポイント
についてそれぞれ詳しく解説します。
また、アジュガはどれくらい広がるのか、グランドカバーには向かないのかついてもまとめました。
結論からお話しすると、アジュガは絶対に植えてはいけない植物ではありません。
適切にお手入れしてあげれば、アジュガはうまく育てることができるのでご安心くださいね。
庭にアジュガを植えてはいけないのはなぜ?
アジュガを植えてはいけないといわれる理由は、
・繫殖力が強すぎる
・茎とこぼれ種で増える
・草丈が高くなりすぎる
・毒性がある
・急に枯れる
などが主な原因です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
繫殖力が強すぎる
アジュガは魅力的な花と美しい葉を持つことで知られていますが、強い増殖力も持ち合わせています。
このため、庭内で他の植物と競争し、思ってもみないような場所にまで広がることがあります。
アジュガはシソ科に属する植物ですが、同じシソ科のミント・バジルと並んで強い繁殖力を持っています。
アジュガを育てる際は、しっかりと区切った場所に植え、定期的に管理することが重要です。
こまめやお手入れを欠かさなければ、可愛らしいアジュガを庭で楽しむことができます。
茎とこぼれ種で増える
アジュガが庭に広がる主な原因は、地面を這って伸びる「ランナー」、すなわち匍匐茎によるものです。
アジュガの学名「レプタンス」には「匍匐する」という意味が含まれています。
このランナーの先端が新たな場所で根を張り、新しい子株が生まれます。
これが成長し、さらに新しいランナーを伸ばして、庭中にアジュガが広がっていくわけです。
さらに、アジュガは種をつけることにより、そのこぼれ種からも新しい植物が次々と生まれて増えていきます。
草丈が高くなりすぎる
アジュガは、その低い草丈で地面をしっかりと覆い、庭をカラフルなグラウンドカバーで飾るのに適しています。
多くの人がアジュガを選ぶのは、この地面を美しく覆うランナーの効果を求めてのことです。
しかし、アジュガは成長すると最大で30cmまで高くなることがあります。
このため、通常のグラウンドカバーと比べてかなり高くなることがあり、予想以上に背が高くなって庭が草むらのように茂ってしまうこともあります。
毒性がある
アジュガの根や茎には毒性があります。
アルカロイドという毒性分ですが、誤って口にすると少量でも中毒症状を引き起こすことがあります。
小さな子どもやペットが庭に出入りする場合は、植えないという選択肢も考えるべきでしょう。
もし植えた場合には、誤って食べてしまうことのないよう、管理には気をつけましょう。
急に枯れることも
アジュガは、急に一斉に枯れてしまうことがあります。
アジュガは耐寒性がありますが、耐暑性はそれほど強くありません。
また植えた場所が合わなかったり、お手入れの仕方を誤ると予期せず枯れることがあります。
そうなると庭の外観が悪くなってしまうことも・・。
アジュガはどれくらい広がるの?
アジュガは勢いよく成長し、地面に植えた場合、1年で約30cm四方まで広がることがよくあります。
また、一つの株から生える茎も多く、それぞれが元の長さの約3倍まで伸びて広がります。
他の植物と一緒に育てている場合、その生育スペースを奪い合うことがあります。
アジュガを植える際は、その強い生育力を十分考慮し、適切なスペース管理と定期的な剪定や間引きを行うことが大切です。
そうすることで庭のバランスを保つことができるでしょう。
アジュガはグランドカバーに向かない?
繁殖力が強すぎるとも言われるアジュガですが、こまめにお手入れして大きさを調整すれば美しいグランドカバーになります。
アジュガはグランドカバー向きな植物ですので、ご安心くださいね。
春になると見事な花を咲かせるアジュガは人気のグランドカバーでもあり、優秀な雑草対策の役目も果たします。
春以外にも一年を通して青々とした葉を茂らせているので、たいていの植物が弱る冬の季節にも重宝しますよ。
アジュガを育てるメリットは?
アジュガをグランドカバーとして植えた場合、次のようなメリットがあります。
日当たりが悪くても育つ
アジュガは日陰にも強く、影の多い環境でも良く育ちます。
ただし、完全な日陰では花が少なくなることがあるため、1日に少なくとも1時間は日光が当たる場所で育てると良いでしょう。
その一方で、強い直射日光下ではアジュガの美しい葉が日焼けすることがあるので日の当たりすぎにも注意が必要です。
このため、日当たりが弱い庭や裏庭の空いたスペースに植えるのに最適な植物です。
病害虫に強い
アジュガは病気になりにくく、あまり害虫がつく心配もありません。
時々葉の裏側をチェックしてハダニやアブラムシがついていないか、加湿によるカビがついていないか確認しましょう。
雑草隠しに優秀
一般的にグラウンドカバーとして使用される植物の多くは小さな葉を持っていますが、アジュガは少し葉が大きめなのが特徴です。
これにより、隙間から生える雑草が目立ちにくくなるため、見た目がすっきりします。
また、アジュガは密に生える特性があるため、雑草が生える隙間をほぼ作り出しません。
さらに、アジュガは常緑性の多年草で、他の植物が枯れてしまう冬の季節でも、庭を鮮やかな緑色で飾り続けてくれます。
花の色と瑞々しい葉の美しさ
アジュガの葉と花はその色彩で多くの人を魅了します。
葉は茶色、グレー、ピンクなどさまざまな色があり、中には斑入りのものもありますから、見ていて飽きることがありません。
花も紫、白、ピンクといった多彩な色があり、小さな花が穂状に連なって咲く様子はとても美しいです。
また、この花のユニークな形状は昔の日本人によって、豪華な女官の装束「十二単」に例えられたことがあります。
そのため、日本に自生するアジュガは「十二単(ジュウニヒトエ)」という和名で呼ばれるようになりました。
アジュガをうまく育てるポイント
適切な場所選び
アジュガを健康に育てるための第一のポイントは、適切な場所選びです。
どの植物も、育成条件が合わないと枯れてしまうことがありますが、アジュガも例外ではありません。
アジュガは寒さには比較的強いものの、暑さにはやや弱い傾向があります。
そのため、直射日光が避けられる涼しい場所を選んでください。
日中は1時間ほど日当たりの良い場所に置き、それ以外の時間は日陰で管理すると良いでしょう。
水やりのしかた
アジュガの育て方で重要なのは、水やりの適切な管理です。
たいていの植物には朝と夜に水を与えることが必要とされますが、アジュガに関しては水の与えすぎが枯れの原因となることがあります。
水のやりすぎには特に注意してください。
水やりの目安としては、鉢植えの場合は土が完全に乾いたら水を与えるのが良いでしょう。
庭に植えた場合は、植物が根付いた後は特に頻繁に水をやる必要はありません。
肥料の与え方
アジュガを育てる際、肥料の選び方も重要なポイントです。
肥料は植物の成長に欠かせませんが、アジュガには植える時に緩効性肥料を使うことをおすすめします。
緩効性肥料は、効果が少しずつ現れて長く持続するタイプの肥料です。
そのため、一度施せば追加で肥料を与える必要がありません。
植え付けの時期
アジュガを上手に育てるには、植え付ける時期を選ぶことが重要です。
アジュガを植える最適な時期は、春の3月上旬から6月下旬、そして秋の9月中旬から11月上旬です。
秋に植えると、夏の暑さを避けてしっかりと根を張ることができ、健康的に成長するため、育てる際の失敗が減るため、秋に植えることがおすすめです。
アジュガの花言葉と風水は?
アジュガの花言葉は、「強い友情」「心休まる家庭」です。
アジュガには毒性があるため怖いイメージを持つ方もいるようですが、花言葉には怖い意味はありません。
春になり花穂を立ち上げて小さな花をたくさん咲かせるアジュガの様子が、人との結びつきや絆を連想させるのでしょう。
また、風水においてはアジュガは人間関係の運気をアップさせるといわれています。
やはりこちらも寄り添って花を咲かせる姿が由来となっているのでしょう。
アジュガを植えるときは東の方角に植えると吉とされています。
庭でアジュガを育てる際には、その花言葉や風水に込められた意味に思いを馳せてみてください。
まとめ
ご紹介した通り、アジュガは強い生命力で増えすぎてしまうのが一番の問題点と言えるでしょう。
しかし、アジュガの根はそう深くなく、ランナーで増えるタイプ。
そのため、増えすぎて邪魔になってしまった時も、除草はそれほど大変ではありません。
また、こまめにお手入れしてあげれば、アジュガは半日陰の庭でも問題なく育てられるでしょう。
一つ一つの花は小さいですが、身を寄せ合って咲かせるような姿がとても愛らしいアジュガ。
常緑多年草なので、一年中楽しめるのも魅力です。
ぜひお庭で育ててみてはいかがでしょうか。